岡村桂三郎展を見て一週間近く経った。
ああ、今思い出してもドキドキする。
暗い部屋の中に岡村さんの絵がそびえ立つ。
部屋に入った瞬間いきなり膝ががくがくして
その場にへたりこみそうになった。
岡村さんの絵は全景が見える画集等の写真とは
もう全然違って、近くに立った時
何が描いてあるのかわかるものは少ない。
それはこのマチエールがどうとか描いてるものが
どうとかそういうことじゃない。
いきなりおおきな何かがぶつかってきて
魂をまるごとつかみとられた。
気がついたら涙が噴き出していた。理屈じゃない。
その理由はきっと自分の知るところでもない。
あの絵の前で日本画がとか洋画がとかいう論議はなにか意味があるだろうか。
いや、果たしてあれは絵だったのだろうか。
そんなことも彼方に消し飛んだ。
社会的なことも美術界のことも自分のなかのあらゆる雑念はその場で必要なかった。
いつまでも見ていたかった。ここで眠りたいし暮らしたいと思った。
心強いというのはきっとこういう気持ちをいうんだろう。
鎌倉から東京に帰る電車の中でも涙が止まらなくなったりした。
人が、その人をこえて何かをつくりだした時、それははかりしれない。
そしてそんな作品が必ずなにかを変えていく。
岡村さんと同じ時代に生き、この展覧会に行けたことに感謝している。
台風のようなその体験は私の中のなにかを吹き飛ばし、まっしろにしてくれた。
ああ!そんなものをつくりたいですね!