

数年前、祖母の姉が亡くなった時、遺品をたくさん分けてもらった。
貧乏性でなんでも置いておき、ものを大事に使う昔の典型のような人だった。
もらった黒箪笥、文机、木の踏み台、全部どこかガタはきてるけどいい顔していて、どれも重宝している。
他にもアルミの洗面器、ちりとり、鉄のはさみ、金槌、いろいろ我が家に来た。
その中に鉄の缶があって、あけてみると錆びた釘や蝶番がごっそり出てきた。
今はもう見ないようなネジや留め金があって、宝箱みたいにわくわくする。
この間切り取った絵を、どうやって額にとめようか考えていて、宝箱のことを思い出した。
シンプルなくの字形のピンを見つけてそれで周囲を留めた。
豊かな時代になっても少しの贅沢もせず、しずかにひとりで亡くなった、そのひそやかな人生と
かわいかった笑顔を思い出した。