人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ふりつもる線

aipittura.exblog.jp
ブログトップ
2008年 09月 24日

刀と岩絵具

司馬遼太郎『峠』で気に入った箇所がある。
河井継之助は「刀は武士の魂ではない」と言い切った。
彼の議論はこうだ。
「戦国武士の場合、刀は単に道具であり、切れればよかった。
それが江戸時代に入って、神聖なものになった。
またいではいけないとか、どうとか言うようになったのは世が泰平だからである。
道具が、神器のようになった。
同時に武士の身分をあらわす階級の紋章のようになった。江戸期では武士の独占物になり、
武士は両刀あるがために誇りや名誉を感ずるようになった。」
私はこれを「岩絵具は日本画の精神ではない」と読みかえる。
日本画の世界は岩絵具を神格化して扱うことが多い。
私はかつて岩絵具の使い方、発色のさせ方などにおいて大目玉をくらってきた。
天然岩絵具はそれだけで本当に美しい。それは確かにそうだ。
しかし、岩絵具を神聖化し、岩絵具を使うことが精神的というのは違うと思う。
自分に必要な素材を選ぶことは大事だ。
しかし素材は道具でありあくまで方法で、大切なのはそれを使う人間がどうありたいかだ。

by ai-pittura | 2008-09-24 00:11 |


<< 制作メモ      現実 >>