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ふりつもる線

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2008年 09月 17日

舟越桂展とギャラリー巡り

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舟越桂展を見に東京に行って来た。個展まで余裕が無く、断念しようかと思っていたのだが、
銀座のギャラリーイッツで中野弘彦展をしていることも知り急遽夜行バスで出発した。
日帰りで展覧会を見てまた夜行バスで帰京した。今回はめずらしく旦那も同行。
東京到着の朝、サウナでリフレッシュして庭園美術館へ。
舟越桂の作品を好きになってもう10年以上が経つ。
自分が絵を描きはじめてからは、人物と対峙する中で山や炎がこちらに向かって
押し寄せてくるような感覚を稀に味わった。
それは舟越桂の人間風景にも通ずるところがあった。
今年のはじめ、西村画廊の新作展も見に行った。ドローイングはすばらしかった。
でも、その時、彼の最近の彫刻作品には前ほど共感できないと思った。
両性具有的なものや説明的な表情は限定が多く、イメージが固定されすぎると感じたし
作品が見るものを拒んでいるかのような違和感も若干持った。
今回の展覧会ではこれまでの各時期の主要作品も出ていると聞いていたので、
その変遷を見て、もう一度近作を見たいという思いがあった。
モザイクのエントランスを入って、迎えてくれたいくつかのスフィンクスシリーズを見た時に
半年前に感じた違和感はものの見事にふっ飛んだ。
期待していた空間は予想以上だったし、その中で桂の人間が実に堂々と立っていた。
鏡にうつる像との対比もよかったし、カーテンや調度品があるのが魅力的だった。
過去の作品が佇んでいるという雰囲気だったのに対し、今のスフィンクスシリーズは
地を踏みしめているように感じた。
舟越桂の人間に対する苦闘がびしびしと伝わってきた。
今の舟越桂の彫刻の中には相反するものが同居している。
男と女、戦争と平和、美と醜・・・一見、人間のかたちから離れたその異形の像が、
人間を遠くから見つめる何者かのようであり同時に人間の本質だと思った。
2005年から08年にかけてのスフィンクスシリーズにも様々な試行錯誤を感じた。
こめかみの切れ込み、眼玉の位置、何よりいいと思ったのは後頭部だ。
数枚スケッチしたのだが2006年「遠い手のスフィンクス」(写真右)と比べると
2008年「見晴らし台のスフィンクス」(写真左)の後頭部は全然違う。
木の実のような、何かの兵器のような、とても有機的な魅力のあるかたちだ。
結局2時間以上、もうくたくたになるほど舟越桂を見た。
その後、space TRYへ義父が伊豆時代に共に作陶していた武田武人さんの展覧会をに見に行き、
清澄白河の東信さんのギャラリーAMPGアートスペース羅針盤INAX蜘蛛の網展、
そしてギャラリーイッツ中野弘彦展で時間切れ。
ギャラリーAMPGは教えてもらって初めて行ったんだけど、
2年間限定で毎月変わる展示や空間、丁寧なギャラリーの方もすごくよかった。
東さんのコンセプトは甘さが無く、資料としての記録も美しい。また展示を見てみたい。
最後、久しぶりに見た中野先生の絵は、やっぱり静かで小雨のような詩情があって
全然強くない絵なのに、決して忘れられないやさしさと厳しさがすっと入ってくる。
中野先生の絵を何点も見られる機会はほとんど無いから、とても嬉しかった。
ギャラリーの方もいい方で、また訪れたいところだった。
今回は東京そんなに回れなかったけど、これというものを心ゆくまで見られて充実の一日でした。

by ai-pittura | 2008-09-17 22:30 | 展覧会


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