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ふりつもる線

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2008年 09月 15日

生_b0080173_0175367.jpgあまのじゃくな所があって、流行ものやみんながいいと言うものに一歩引いてしまう。
そんな理由で映画『21グラム』も見ていなかったことを反省している。
魂の重量だとかいかにもな感動モノかと思っていたが全然違った。
生きていく中で人が失うものや傷に正面からぶちあたって、
もがき苦しみ這い上がろうとする生の激しさが描かれていた。
自分の思いと重なるところも多くあった。
監督、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの映画をもっと見たいと思った。
彼がかつて幼い息子を亡くしていることも知った。
処女作の『アモーレス・ペロス』を見た。この映画はもっと激しい。
舞台はメキシコシティ、3つのストーリーで構成されている。
兄嫁に想いを寄せる青年、今をときめく女優と愛人、
いわくつきの過去を持つ流れ者、あるところで交差するそれぞれの人生。
それぞれが犬と生き、その犬はまた共に暮らす人間の生き方をあらわしている。
闘犬、飼いならされて生きる本能さえも失った犬、いろんな犬がでてくる。
そして共通していることは登場人物が皆、何らかの傷を持っていることだ。
父親の不在、捨てた家族、失った身体。
メイキングでイニャリトゥが言ってた。撮影中ずっと叫びっぱなしだったと。
そういう映画だった。血まみれで走りつづけるような、怒りのような、激しく強い叫びがあった。
暴力描写とか闘犬のシーンが残酷とかいう人もいるようだが
この映画は生きるということそのものだ。破壊と再生、生き抜くことをしっかり見据えている。
青年役ガエル・ガルシア・ベルナルはこの映画でもやっぱりよかったし、
流れ者エル・チーボ役エミリオ・エチェバリアが最高!!
『21グラム』のベニチオ・デル・トロもすごく気に入った。 いい役者、いいチームだ。
次は『バベル』はやく見たいな。

イニャリトゥはこう言っている。
人は失ったもので形成される。人生は失うことの連続だ。
失うことでなりたかった自分になるのではなく、本当の自分になれるのだ。

by ai-pittura | 2008-09-15 01:21 | 映画


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