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ふりつもる線

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2008年 06月 18日

長野の出会い

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長野市街から弓なりの道に沿って山を上がっていく。
標識も無く、どこまで続くんだろう、本当にあってるのだろうかと不安になり始めた頃、
一瞬、開けた樹々の間から眼下に広がる里の風景に息をのむ。
標高1000mを越えるだけあって、風の質が全然違う。
なお山道を進み、はじめて数軒の家が見えてきた。
そこが目的地の個人美術館。ある知人の絵がかけられている。
着いてすぐ、館長さんが家のまわりを案内してくださった。
ゆるやかな弧を描く大きな池は鏡のように滑らかで、白樺の木や山が音もなく映っている。
ボートの時間も終わり、人のいないその風景はあまりに静かで、シャッターを切れなかった。
池から少し歩いたところには湿原がある(写真)。
ミズバショウの花が終わったところ、かわりに黄色のリュウキンカがところどころから顔をのぞかせる。
そして桟橋のまわりに群生するトクサ。
今度来る時はゆっくり散策してみたい。

長野の出会い_b0080173_951399.jpg長野の出会い_b0080173_952040.jpg
そしてクレマチスの門をくぐり、いよいよ美術館へ。
美術館のまわりには館長さんの遊び心が至る所に散りばめられていて楽しい。
石のオブジェやなんかが庭の緑に埋もれている。
木の上に星や鳥(写真)なんかもいたり!
美術館の中で出会った絵のことは、ここに書きたくてもうまく書けないだろう。
それは心の中にしまっておこうと思う。
私は、この絵たちを本当に見たかった。
その絵がどんな絵か知らなかったが見なければと思った。
うまく説明できないけれど。

美術館の中は薄暗く、闇に浮かびあがるように、もしくは消えていくように20点以上の絵が並んでいた。
一度みんなで見せていただき、その後ひとりでもう一度見に行った。
近づいて目をこらして見た。最後は長いこと椅子に座って目をつぶってみた。

それから館長さんのお宅であたたかい一時を過ごさせてもらった。
この人ほどうつくしい人をしらない。
熊谷守一のにも似た、黒ダイヤのような眼が心に残った。
美術館の部屋の真ん中には星の音と題された館長さんのオブジェがあった。
吊り下げられた石と鉄、鳴らすとコーーンという音が同心円を描くように響き、
多分鳴りやんだであろうその後もその余韻が体を満たした。
去り難い思いに包まれていた時、思いがけずお庭から分けていただいた
ふたりしずかとちごゆりは今、家の軒下で静かに揺れている。


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by ai-pittura | 2008-06-18 10:38 |


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