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ふりつもる線

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2008年 05月 31日

事件そして雑感

事件そして雑感_b0080173_22361417.jpg今日は朝から派手な日で、寝ぼけて石につまずいて
自転車からふっ飛び、頭を強打。
意識がなくなりそうな中「救急車」と叫ぶおばさま方を
必死で制すもしばらく立ち上がれず。
その後、左後頭部がどんどん腫れ、痛みと流血騒動。
やっぱり大事をとって苦手な病院へ、そして初のCT。
外傷も縫うほどでなく脳内出血もなしで安心して
今日は近場でゆっくり安静にすることに。
後輩の展覧会見に河原町画廊
そしてヴォイスギャラリーは採集したものなど色々、
小山田徹監修〜実測図の展覧会〜
石や骨や実や、私もしょっちゅう拾ってくるそんな物が
ごろごろあってドキドキした。
そこでふと突き上げるような懐かしい感覚に襲われた。
自然史博物館だ。
植物園や自然史博物館のすぐ近くで育った私は、まるでそこを自分の庭のようにして育った。
その幼い記憶が急にフラッシュバックした。
モミジか何かのプロペラのような種が舞い落ちる装置に狂喜し、
羽を広げた時の蛾の紋様がこわかくて両親にしがみついたこと、
恐竜の足跡に赤い靴をはいた自分のちっちゃな足をあわせたこと、
少し大きくなっておじいちゃんが売店で虫のポストカードを選んでくれた時のこと、
今も書きながら次々に記憶が数珠つなぎのように引きあげられていく。
しかもまるでつい5分前のことのような極度な新鮮さをもって思い出せる。
頭を打っておかしくなったのかもしれない。
とにかく、あぁ今気づいた。自然史博物館でのことが私のルーツの核にある。
今はすっかり整備され、植物園のあの鬱蒼とした入り口やなんとなく秘密めいた薄暗い暗闇の中で
恐竜の化石や虫や実の標本をみつめることもできなくなり、さみしくなったものだが。

その後は鴨川望むカフェである作家さんと話した。
医師から本日の禁酒を宣告されたため、濃い話にもかかわらず飲めなかったことに自分を呪う。
オートマティズムとか、小林秀雄のことばをかりると無私の私とか最近ぼんやり考えていたことを
彼のタイムリーな言葉を通して再認識させてもらえたことがうれしい。
旅とか映画とか、キーファー、マックイーン、いろんなとこに飛び火しながら話す。
人に歴史あり、彼の絵の底力はまさにその経験の余白部分なんだろうと思った。
こんな人が美術界にいることがうれしい。同時に自分も頑張らなければと。
そうだ、思い出した。
マストロヤンニが役の中で「さぁ、時間を無駄にしようじゃないか。」と言って
ナポリの突堤から海を見るシーンが好きだった。

by ai-pittura | 2008-05-31 00:36 |


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