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ふりつもる線

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2008年 05月 11日

版画工房にて

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今日は、先日友人が結んでくれたご縁に甘えて、豊かな自然の中にある滋賀の版画工房に行ってきた。
仕事場というのはそれだけでうつくしいものだと思うが、そこに
それぞれのちいさな歴史を重ねた壁や床や、使い込まれた道具があったりしたらなおさらだ。
ワイエスの絵に出てきそうな一角がそこにはあって、私はすぐにここが好きになった。
版画に関してほとんど無知と言える私が凄腕の(しかしとてもキュートな)F氏から
丁寧に説明してもらいながら、銅版制作を始められたことはこの上なく贅沢なことだと思う。
横で友人が制作してる作品の経過や、こまめに言ってくれることも興味深い。
まだまだ知らない用語だらけで、ぽわわんという感じだけど、、、制作しながら
少しずつ覚えていくことでしょう。それにしても版画の技法の可能性は無限である。
銅版画は版を削ったり腐蝕させたりすることによって凹みをつけて、そこにインクをつめて
刷るんだけれど、第一印象として感じたことは、
削るのも腐蝕させるのも道具や溶液によって数え切れないバリエーションがある。
それはキリキリした線からにじんだ線、アメーバのような面から奥深い闇のような面まで
薬などの溶液も使う分、偶然が作り出す表情というのもすごく豊かだということ。
それは想像力をかき立てられると同時に、思わぬ効果はそれだけで作品に「なり得る」という
危険性も孕んでいてそのバランスが大事だと感じた。
例えば、ケーテ・コルヴィッツやムンクは見事に直刻の意志的な線を作品に昇華させたと思うし、
浜口陽三はやはりメゾチントの浜口陽三だと思う。
私はまだ自分の版画は未知だが、ニードルで彫り込むことはとても「実感」がある感覚だ。
それは絵を描いている時にも感じる、筆で描く以上に尖った鉛筆や鉄製の刃で描くことに
身体的共感を覚えることに通じている。
もしかして版画は絵を描くことに何かとてもいい刺激を与えてくれるんじゃないだろうか、
と初日のくせにえらそうなことを思ったり。
今日は、ソフトグランドで下地(背景づくり)までやりました。
120号の絵で考えたことを版画でもしようと思ったけど、中止です。
背景から思い浮かぶものをもう一度考えようと。
次、工房に行けるのはいつかなぁ。待ち遠しい。

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by ai-pittura | 2008-05-11 02:41 | 版画


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