人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ふりつもる線

aipittura.exblog.jp
ブログトップ
2008年 02月 03日

鎌倉にて

鎌倉にて_b0080173_10501948.jpg鎌倉にて_b0080173_10514632.jpg
次に関東に行ったら絶対行ってみようと思っていたところがあった。
それは、我がパートナーの心にとまった数少ない地のひとつ、
そしてある詩人の方との出会いの中で、急速に色味を帯びていった憧れの地、鎌倉だった。
羅針盤での展示がはじまって2日目の夜、ギャラリーまで迎えにきてくれたstclさんと
泡盛やかめせんをお供に私は鎌倉の駅に降り立った。
そこから鎌倉で過ごした1日半の時間を今さかのぼってみた時に
平かでしずかに立つ淡い水平線のような心情がある。
これは不思議だ。
たとえば、この目で見たいと焦がれに焦がれたある作品の前に立つことが叶ったとき
期待通り衝撃を受けたり、違う種類の感動を受けていい意味で裏切られたり、
あるいは勝手に期待を大きくしすぎたことによってがっかりしたり、
そこに大きな振幅が生じることが多いように思う。
しかし、私は鎌倉にいる間中終始、静かな安堵感とある種の懐かしさに包まれていた気がする。
朝から夜まで私のためにあらゆる所を組み込んでくれたstclさんプロデュースの行程の中で、
あんなに目的としていたやぐらよりも頼朝の墓よりも
私は場と場を結ぶ曲がりくねった細い道に安らかな幸福を感じていた。
それぞれに違う塀のブロック穴の模様、舗装されていない脇の土道から生えている草木、
ペンキのはげた木戸(鎌倉には特に多くて驚いた)、江の電の線路、誰もいない神社の長い階段、
古い看板、木の電信柱と手書きの郵便受け。
絶え間なくつづく些細なことの満ちているところと思った。
何よりもstclさんの家が(家というより巣という感じがした)私は好きで、部屋の中にはたくさんの
思い出や小さな感動や思考の螺旋がまるい小石のように散りばめられており
それは詩そのものであるようにも思った。
そして、私は鎌倉で旅の浮かれをそんなに感じることなく、
いつも京都で生活しているような心持ちで過ごしていた。
鎌倉をこんなふうに感じたのはstclさんとMちゃんのおかげに他ならず、心から感謝しています。
ほんとうにありがとう。



鎌倉にて_b0080173_12265593.jpg

鎌倉にて_b0080173_20545553.gif

by ai-pittura | 2008-02-03 12:33 |


<< 吉田神社の節分祭      羅針盤展覧会風景 >>