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ふりつもる線

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2008年 01月 11日

善き人のためのソナタ

善き人のためのソナタ_b0080173_043298.jpg善き人のためのソナタ_b0080173_04477.jpg
過去に見た映画の中でも心にのこっている。
シュタージの監視下におかれていたベルリンの壁が崩壊する少し前の東ドイツ。
共産主義体制に従わない者は許されず、少しでも疑いのある者は昼夜盗聴されつづけた。
そんな状況下で、シュタージ、ヴィースラーはある芸術家とその恋人を監視することになる。

見終わった後の思いは山ほどあるが、内容に関する感想をここで書くことは控えたい。
そして、先入観なしに、まだ見ていない人には是非見てほしいと声を大にして言いたい。

「善き人のためのソナタ」はフロリアン・ヘンケルス・フォン・ドナースマルクの
ミュンヘン映像映画大学の卒業制作である。当時、33歳。
彼は西ドイツ出身だが、4年間に渡る準備、取材期間を経て作品に仕上げたという。
ちなみにヴィースラー演じるウルリッヒ・トゥクールは東ドイツ出身であり、
過去にシュタージに監視されたという経験をもつ。
この作品が卒業制作であるということ、
つまりほとんど資金がない状態でつくられたものであることには驚いた。
ウルリッヒをはじめとし、役者は実力のある有名俳優であるにも関わらず、
ドナースマルクの台本に感動、共感した彼らは、ほとんど報酬の無い状態でこの映画に参加したという。
映画をつくるというのは並大抵のことではない。
映画監督の苦境に比べれば、画家や彫刻家の貧困にはまだまだ救いがある。
個人が映画をつくるということには血のにじむような苦悩がある。
その中で、こんなにすばらしい作品をつくりあげることができたドナースマルク監督に
私は心から賞賛の拍手を贈り、感謝したい。
そして、昨年胃癌で若くしてこの世を去った名俳優ウルリッヒのご冥福をお祈りします。


善き人のためのソナタ_b0080173_20545553.gif

by ai-pittura | 2008-01-11 00:03 | 映画


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