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ふりつもる線

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2007年 09月 18日

絵の呼吸

絵の呼吸_b0080173_211426.jpg絵の呼吸_b0080173_2115433.jpg絵の呼吸_b0080173_212898.jpg
今描いている象の絵の部分。
私の描く道具は筆、刷毛、箒、枝、たわし、スポンジ、指、、、
その辺にあるものは意外と何だって描く道具になる。
それから火。
今回は紙を支持体にしているから火は使えないかなと思っていたけど、
段ボールに四角くちぎった薄黄紙を貼り、膠で強化しているので調節すれば火も使えると知った。
でも、土の支持体だとできる「削る」作業が紙だとできない。
その代わりに「洗う」、そして貼った紙を「剥ぐ」ことでマイナスの作業をする部分をつくる。
私はプラスとマイナスの作業で絵をつくっていけないと息詰まってしまう。
それはつまり呼吸するのに似ていて、
画面の上に「描く」というプラスの作業だけだと、なんだか絵が息を吐き続けるようでしんどそうなのだ。

昔、紙に描いていた頃、学校の広場のシャワーで思いっきり絵を洗いながら、自分も一緒に水浴びしてたっけ。
でも紙が乾くのを待ちきれずに描きはじめると、
すぐぼろぼろになってしまう紙に限界を感じていつのまにか紙から遠ざかっていた。
日本画によく使う麻紙はとても高価だ。もちろん大きくなればなるほどさらに高価になる。
大作にせっかくきれいに水張り(パネルの縁にだけ糊付する方法)できても
激しい作業の末に破れ、ぼよんぼよんに波打ち手の施しようもなくなった紙に悔し泣きしたこともあった。
去年から土の支持体に紙を継ぎはりするようになり、
小さくちぎった紙の柔軟性を知り、破れ継ぎは作業工程の中で本当にしっくりきた。
日本には裂織という精神がある。
昔、東北地方や寒冷地など木綿がなかなか手に入らない地方の人々は
木綿のほんの切れ端でも宝物のように大事にし、パッチワークみたいに当て布をして継いだ。
それがぼろぼろになると今度は裂いてたて糸として使った。
昔の人の知恵でできたその裂織の実物はほろっと涙がでるくらいにそれはそれはきれいなものだ。
私は今回はじめて段ボールに描いてみて、時々そのうつくしさにドキッとする。
今私が使っている薄黄紙の重ね目も好きだ。
どちらも安価なものだけど、そこに命を吹き込んでやりたい。
どんなものに描いても、どんなものを使ってもいい絵は必ず描けるはずだ。



絵の呼吸_b0080173_20545553.gif

by ai-pittura | 2007-09-18 21:01 |


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