転機がいつなのか、それはどんなふうにやってくるのか、
実のところよくわからない。
ふいに舞い降りてきて気付いたら変わっていたこともあるし、
はっきりと意志もって変えたこともある。
モチーフに関して言うと、私は連作で絵を描いていく傾向にあるようだ。
連作は描こうと思って描いているわけではなく、
一度やりはじめたらどんどん面白くなってやめられなくなり、
次から次に新しい発見とよろこびがあるからしばらく同じモチーフを続けている。
いちばんはじめは立ち枯れの植物や散り姿、木の実だった。
それから化石や地層、壁などをモチーフに抽象的な作品を1年、
牛を1年、そして人物を3年。
でも、モチーフが変わっても描きたいことはずっと変わっていない。
昔はその中で支持体を何度も変え、
どれがいちばん描きたいことを織り込めるのかその実験ばかりだった。
今までの転機を大きく数えると2回。
それは支持体としてカオリンを使いはじめた時、
それから色をつかうのをやめてほとんど白黒で描きはじめた時。
どちらの時ももやりはじめて、これしかないと思った。
カオリンを支持体とすることでアプローチに幅が持てることは感動的だったし、
白黒で描いていると無限の色が目の前に広がった。
最近、私の中でまだ自分でもわからない変化が起こっている。
起こっているような気がするだけなのか、
それとも何かが動きはじめているのかわからないが、
遠くで何か 音が聞こえる。