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ふりつもる線

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2007年 07月 16日

残骸と出発

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この間から調子は少し落ちたものの、8号強と途中だった6号の絵を描きあげた。
その間中ずっと壁にたてかけてある先月描いた100号の絵がちらちら見えて落ち着かなかった。
突発的に壊すのはよくないと思って、何日も見続けたが見れば見るほど腹が立っていた。
とうとうさっき、一番時間をかけた部分を引きはがした。
いつもそうだけど一筆一彫、込めてきたものを壊す時は、自分がこの上なく残酷な人間に思う。
自分の作品は誰より自分が一番愛してやりたいと思っているから、胸が痛い。
でも絵は百万回でも生まれ変われることを信じているからこうする。
仕事を始めて制作時間は減り、より貴重なものになった。
学生の頃はたくさん実験して3分の2は壊していた時期もあったのに、
最近は無意識のうちに、かけた時間を守ろうとしているような自分がいたような気がして
壊しながらそんな自分を戒めていた。
どんなに心をこめても、どんなに時間をかけたものでも、納得いくものでなければ
自分でメスを入れなきゃいけない。あたりまえのこと。

今日、友人から朗報をもらった。
この前書いた日記、夜の廃墟に連れていってくれたイタリア人Uがベルリンでした個展が大成功。
なんとある国の王様もUの作品を買い、ミラノのギャラリーから契約をもらったとのこと。
彼の結んだ契約は、これから描く作品はすべてギャラリーが買い取ってくれ、
文字通りギャラリーと一心同体になるというもの。
かなり少なくなってきたと言われているが、イタリアにはまだこんなギャラリーがあるんだな。
どれだけ無名でも、どんなに若くても惚れ込んだら添い遂げる。
彼はついこの前まで、ピザを売り、蚤の市の道ばたで古いものを売っていたのだ。
海の向こうに思い浮かべたUの笑顔に、大きな励ましをもらった。

明日から絵の上に絵を描く。


残骸と出発_b0080173_20545553.gif

by ai-pittura | 2007-07-16 23:51 |


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