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ふりつもる線

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2006年 12月 10日

海中の氷

海中の氷_b0080173_20571269.jpg論文を書く上で、私の出発点である香月泰男の本を
すべてもう一度読み返した。
本は、読む時期、心境によっても心動く所が
違うからおもしろい。
最近、イタリアのおかげで何かにつけて意識する
「日本」と「絵」は香月さんも強く意識していた。

『芸術とは自分を発見していく過程であると思う。
 私が洋画を志しながら東洋画に傾倒していったのも、
 東洋人である自分の発見、日本人である自分の発見の故だろうと思う。』

『結局、一言でいってしまえば、私が発見したことは、
 日本の伝統の中でしか仕事をできないというごく単純なことだった。
 言い換えれば、油絵具で東洋画の持つ精神を
 追求していくということになろうか。』

『私は芸術とは伝統の上に立つものであるという考えを捨てない。
 いかに前衛的なものと見えても、それが真の芸術であるかぎり、
 伝統の中から生まれているはずだ。
 現代芸術として現象しているものは、
 氷山の海面上に現れた部分のようなものだ。
 海面上に現れた部分は、実はその数千倍、数万倍のものに
 海中で支えられているのである。
 海中に支える部分を持たない氷は流氷に過ぎない。』

香月泰男は東洋画に傾倒していきながら、
西洋画では古典、中世からルネサンス初期に興味を持ち、
その中に東洋と共通する思想を感じていたと言う。
それはやっぱりジォットでありピエロ・デラ・フランチェスカだった。
以前、読み過ごしていた香月さんのそんな部分に触れ、
私はますますイタリアへの想いを募らせてしまう。

*写真は香月泰男『雨』1968年


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by ai-pittura | 2006-12-10 20:20 |


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