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ふりつもる線

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2006年 08月 17日

旅することと住むこと

K先生の紹介で、去年まで一年間Bolognaに滞在されていた画家の方とお会いして
とても貴重なお話を聞くことができた。
その人から聞いたBolognaでの生活は私が思い描いているものと極めて近い感じがした。
私が何年か先にイタリアに数年住んでみたいと思う理由、
それはイタリアという場所に身を沈め制作してみたいという気持ちもあるが、
一番大きな理由はイタリアで生活したいのだ。
生活するということを私はもう一度自分で組み立ててみたいと思っている。

「時間を無駄にできたのがよかった。」
その人のそんなことばを聞けたのがすごくうれしかった。
何を隠そう、それは私の目的でもあるからだ。
確かmaccheroniという映画だっただろうか。
マストロヤンニが役の中で「さぁ、時間を無駄にしようじゃないか。」と言って
ナポリの突堤から海を見るシーンがあった。
そこにイタリアが凝縮されているような気がしてうれしかった。

たとえば小さな町の年老いたオリーブの木に恋をして
きっと素敵な町なんだろうって夢見て
観光客は来ない小っちゃなBarで
地元の人と飲むことを目的に遠くの町に旅してみる。
ささいなことのためにたっぷり時間を使う豊かさ、
それはすごく素敵なことだと思っている。

イタリアにはたくさん見るべきものがある。
欲張りはじめたらキリがないぐらいあっちにもこっちにも
行きたい美術館、見ておきたいフレスコ画、建築・・・
そんなもので溢れかえっている。
だから今まで旅行でイタリアに行く度に、
あれも見なきゃこれも見なきゃという欲求に駆り立てられ
息つく暇も無く、いろんなところを見て歩いた。
それはとても刺激的な体験だったし、制作にも大きく影響した。
自分の器をはるかに越えるもので自分をいっぱいにして
これ以上無いくらい充実した時間で満ちていた旅は本当に貴重な経験だった。

旅したイタリアはすばらしかった。
その肌触りを自分の中にしみこませたくなって、住みたいと思うようになった。
だから、もし住むことができたら特別なことは何もしない。
そして、毎日挨拶する人が少しずつ増えたり
市場で野菜を値切ってみたり
時々おばあちゃんたちの木陰の井戸端会議に参加したりして
そんな人たちと人生の時間をほんの少し重ねることができたら
私はすごくうれしい。

by ai-pittura | 2006-08-17 20:42 | イタリア


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