主に白と黒を使って制作するようになって1年以上が過ぎた。
今のところ他の色に対する欲求はそんなに無い。
むしろ黒の中にひそむ色の豊かさに惹かれている。
すべてを吸収する黒の中にはすべての色がある。
また、ひとくちに黒と言っても、
乾留法による骨炭はあたたかい色相に属し、植物炭はつめたい色相に属す。
またオイル・ファーネス法によるカーボン黒よりランプ黒の青みが強い。
私は主に、
アイボリーブラックなどの獣骨炭や油煙墨、松煙墨、木炭などを
用いて制作しているが、今日調べていると
赤〜紫の色相に属す鉄黒や緑〜紫の色相に属すアニリン黒などもあることを知り
とても興味深かった。
未来や新しく生まれてくる命の世界はまだ何も描かれていない白い画布のようだと思う。
そして死者の世界は何も見えぬ暗黒のようでもあるが、
ほんとうは全ての色を孕んだ豊かな黒の世界ではないだろうか。
まだ見ぬ新しい命と死者との間、
白と黒の間に
私達は立っている。
昨日、友達に子供ができたという知らせを突然もらい、
驚きとうれしさに胸がいっぱいになった。
新しい家族の幸せを祈りながらそんなことを考えた。