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ふりつもる線

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2015年 07月 03日

空白の時間

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タガネが家を空けて4日半が過ぎていた。
夏場、外へ遊びに行って一夜家を空けることはあっても翌日には必ず戻った。
このところ雨が多く、外へ出られない鬱憤がたまっていたように見えたタガネは久しぶりに晴れた日、
意気揚々と外へ飛び出していき帰らなかった。
はじめは、帰りが遅いのもいつものことかと気にしていなかった。
2日目はひどい雨。
雨で帰るタイミングを逃したのだろうかと思いながらも、一抹の不安が胸をよぎる。
これまで野良との喧嘩で耳を噛みちぎられ、血を流しながら帰ってきたこともあるから
どこかでまた大きな決闘があって、負けてテリトリーを追われた可能性はある。
気性が荒い猫だから、何かで常軌を逸してどこかへ駆け出し、迷ってしまったかもしれない。
車に轢かれて動けなくなっている可能性だってある。
3日目夜、じゅんが名前を呼びながら何度も近所をまわるが何の気配もない。
地図を見ながら歩くも、人間の歩ける道というのはなんと限られたものだろうか。
猫の地図なら半径50mの間にどんなに多様な道があるだろう。
猫がいなくなって生死を分かつのは大体3日目とのこと。
(もっともこれは室内で飼われている猫の場合で個体差もあると思う。)
じゅんが念のため保健所に電話するが、情報はなし。
4日目は晴れ、タガネは大丈夫、と心に思ったことを口に出してとなえてみる。
けれど、やっぱり落ち着きはしない。

再会は突然だった。
夕方、洗濯物を見に庭に出た時、ふと振り返ると『ニャオー!』と強くハッキリした声!
タガネが帰ってきた!間違いない。
縁側に駆け寄ると、眼を爛々と輝かせたタガネが走ってくる。
タガネ、タガネ、タガネ!嬉しくて何度も呼ぶ。
ニャー、ニャー、ニャオー。
毛に触れ、鼻をつきあわせる。

私たち人間にとっての4日半、それは猫にとっては1ヶ月近い時間だったかもしれない。
不思議なのはどこも怪我していないこと、そして毛も汚れておらず、ずぶ濡れで彷徨った様子もない。
お腹は減らしていたけれど、4日半食べていなかったとも思えない。
さてはあなた、
まさかとは思うけれども、
もしかしてどこかに第二のおうちでもあるのですか?

不思議な、空白の4日半。
秘密の冒険。


by ai-pittura | 2015-07-03 21:46 | たがねとめめ


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