
階段を降りると島田さんと石井さんがちょうど扉をあけて出て来られたところだった。
子犬のようにきらっと光った石井さんの眼にぶつかる。
画廊のなかには額を着て、スポットライトの光を浴び、
すこし気恥ずかしそうな絵たち。
私は鳥の絵が気になり、画廊のなかを何周かまわる度に
その前で立ち止まってしまう。
黄土を背にする黒い鳥。
どこを見ているのかわからないその眼は
怖いとも優しいとも悲しいとも違う、
太古の鳥類のようでもあり、ひとのようでもあった。
見ていると
石井さんのアトリエのしずかな空気がすうっと流れてきた。
(左の写真は今回の石井さんのDM表紙の絵)