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ふりつもる線

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2014年 11月 24日

写真

写真_b0080173_23595431.jpg

ここに9枚の写真がある。
2010年 新生堂での個展(私)
2010年 neutron kyotoでの個展(ジュン)
2012年 neutron tokyoでの個展(ジュン)
2013年 ギャラリーゴトウでの個展(ジュン)
2013年 白白庵での私たちの二人展(Rさんと私、ジュンと私)

展覧会に来てくださる度にTさんが胸に下げている小さなカメラで撮ってくださった写真だ。
写真を見る度に、すべりこむように
その時その時の個展の会場へと入ってゆくことができる。
どれも大好きな写真。
もぞもぞしているジュン。
すこし緊張しているわたし。
Tさんはいつも、撮られると思うよりはやくシャッターを切っていて
そのままの空気がどの写真にも切りとられていた。
早撃ちのガンマンのようなカメラマンだと思っていた。
それでいて、撮る時に威圧感や殺気はなくて、とてもやわらかい。


そんなTさんが写真を撮ってくださることとなった。
今まで、提出をせまられる度に、まともなものが無くて困っていたプロフィール写真だ。

撮ってくださる前に、どんなプロフィール写真がいいか考えておいてね、とメールをいただき
すこし想像してみたけれど、明確な像は思い浮かばなくて、言葉にできたのは
絵より前に出る感じにはしたくないということ、
ごくごく自然なさりげないものでありたいということ。

でも実際、その場に立ち、何枚も撮影していただくなかでは自分の意識が先に立ち、
さりげなくあろうとすれば、それだけ不自然になっていたと思う。
"プロフィール写真"ということにもとらわれていたのだなあと今になってそう感じる。
何枚も何枚も自分を撮られるということは初めての不思議な体験だった。
何かをしている訳でなく、撮られるためにそこにいるということも不思議な感覚だった。
カメラを見る、ということに慣れていないのだろうか。
後で考えてみれば、家のアルバムにある私の写真にはカメラ目線の写真が少ないことに気付く。
表情のかたい私にTさんは刷毛を持たせてくださり、
いろんな視線誘導の魔法をかけてくださった。
Tさんのたくさんの細やかな心遣いが、ほんとうにありがたかった。

撮っていただいた写真のはじめの方と終わりを比べてみると、自分の顔がずいぶんやわらかくなっていた。
Tさんというカメラマンのなかには、解剖学者のような鋭さと春の陽射しのようなあたたかさが同居しているように感じた。
私は、ただの自分にはまだまだなることができなかったけれど、
Tさんが撮ってくださったことは かけがえのないことだった。

本当にありがとうございました。







by ai-pittura | 2014-11-24 01:02 | 人間


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