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2014年 06月 01日
苦戦しつづけた100号の制作が終わった。 祖母の空気を描きたいと思い、しかし視覚や細部にとらわれたことで伸びやかさを失い 最後まで立て直すことができなかった。 人物を描くことの難しさを改めて知る。 でも、この苦い思いは必ず次へ。 区切りがつき、晴れやかな気持ちでK君、Nちゃん、ジュンと湖へ。 照りつける太陽、むせかえるような緑、うつくしい湖面にさらに特別な親しみをもって、 そう、今日はカヌーをレンタルしに来たのだ。 ![]() Wooden Boat Centerの俣野さんたちが作られたうつくしいカヌー。 流線形の究極のシンプルなかたちに見惚れてしまう。 まるで鯨骨を見ているようだ。 水辺にカヌーが在るだけで風景がどこまでもかぎりなく広がっていくようで。 ![]() とても静かだ。 お借りしたカヌーは17フィート(5m強)で安定感も抜群。 櫂を繰る。二人の場合、前の人はひたすら漕ぐエンジン役、後ろは舵取り。 慣れるまでは息が合わず、行きたい方向になかなか曲がれずジタバタするも 少しずつ感覚がわかってくる。 一定の距離を保ち、近づきすぎると逃げるオオバンを追いかけ、 魚礁の間をすり抜ける。 時々飛び跳ねる鈍色にひかる魚と優雅に水上を飛ぶサギ。 漕ぎ疲れた手をふと休めた時の静寂のふかさと、身体を吹き抜ける風の心地よさと。 ![]() 水、かたちがない。 やわらかくすり抜けてゆくのに、それでいて面で押せば強く押し返される。 川、湖、海、 水の傍にいるとこんなにも心がほどけていくのはどうしてだろうか。 伸びやかでおおらかだ。そして畏れも抱く。 水とカヌーと私たちと どんどんその境界がぼやけていき、 空に浮かんでいるような眠気に包まれる。 いつも日々を、描くことを支えてくれるのはこういう時間だと思う。 ここ数年言い続けている、 いつかカヌーかカヤックを手に入れたい(もしくは自作したい)という夢がどんどん大きくなっていく。 ![]() 書き言葉以前の時代から、人々は水辺に住んで様々の舟を作ってきました。 水辺の数ほどの舟が作られ、行き来の中で混ざり合い洗練されてきました。水が形を整えます。 だから世界中にこんなにも多くの種類の舟があるのに、その基本の部分はとても似通っています。 そしてその多くは一人から数人乗りの木の小舟です。 続きはコチラ これは舟をつくっておられる俣野さんのことば。 水が舟の形を整える というそのことばにじーんとしてしまう。 そう、そんな風に絵を描いてゆきたいなと思う。 (見えないけれど)白い画布のなかにすでにある絵を、引き上げられるように。 描くというよりは、そこにあるものに手を添えるように。 はじめてお会いした俣野さんは、舟のことを話し出すと百科事典のようにあらゆることが溢れ出し、 頭はくるくると回転しもう止まらなくて、きらきらとひかる目が印象的で とっても素敵な方だった。きっとまた、近いうちにここに来るだろう。
by ai-pittura
| 2014-06-01 23:47
| 筆休め
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