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ふりつもる線

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2014年 04月 22日

お山の恵み

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わこちゃんと山菜の季節やねえ!と盛り上がり山へ。
上からこごみ、甘草(カンゾウ)、野蒜。
食べられる野草を摘むことはなんとたのしいことだろうか。
株がだめにならないよう少しずつ別のところからいただく。
蕨やトリアシショウマ、雪下、漉油などはまだまだこれからのよう。

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楤(たら)の芽は以前はたくさんあったようだけれど、過剰採取でずいぶん少なくなってしまったとのこと。
すこし山に入っても目につくところのタラの木は全部芽がなくなってしまっているものも。
楤の芽の採取は一番芽(頂芽)だけで二番芽、三番芽はかならず残す。
(山菜の採取についてわかりやすく書いて下さっているサイト
山の恵みをいただくということは、その植物の特性も知ってゆくことなのだなあとしみじみ思う。
今回行ったところは、わこちゃんのお父さんが昔から親しんでいる山奥の谷で、
お父さんの話によるとここ30年くらいでも、植生はずいぶんと変わっているとのこと。
そこを訪れるのはまだ4回目だけれど、行く度に山の様相は少しずつ変化していて
長いスパンで定点観測をしていけば、自然の多様なリズムの一片に触れられるのではないかと思う。
昨秋の台風は滋賀にも大きな爪痕をのこしたけれど、谷もずいぶんと荒れていた。
川は氾濫し、沢から何箇所も水が出たようで大きい石がゴロゴロと転がり、それらの影響でか
たくさんの檜や杉が枯死している姿が目立った。
自然が破壊と再生を繰り返すならば、破壊もまた自然の理。
人の中にある破壊と再生もまた自然の理なのかもしれない。
ひともまた、自然の一部なのだから。
度を越せば自らに跳ね返る。
ここから森と山はどんな風に変化していくのだろうか。
外側の大きな自然は内側の自然でもあると思う。

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左:トリカブト 右:コバイケイソウ
もうひとつ、川や沢沿いはトリカブトやコバイケイソウなどの毒草が大きな群落をつくっていた。
他にもムラサキケマン、キケマンなど毒草が目立ち、そのことに気付くと一種異様な雰囲気でもある。
その場所はわこちゃんのお父さんによると、昔はワサビだらけだったとのこと。
これは、増えすぎている鹿やニホンカモシカが大きく関係しているはずだ。
もともと高山帯に生息していた鹿たちも、低山に降りて暮らすようになり、
狼など天敵がおらず、雑食化していることからも個体数はどんどん増えている。
その鹿達が毒草をよけて食べていくため、毒草の群落は一気に広がるのではないだろうか。

古来より自然は何度も大きな偏りや歪み、危機を乗り越え、反復をくりかえしてきただろう。
”部分”を見ると、やはり大きな危機を感じずにいられず、こころ曇るけれど、
そこだけに視野を固定せずに、なにかもっとひろい自然をじっと観察してみたいと思うようになっている。
すこしずつ、ゆっくり見つめたい。
まだうまく言葉にできないけれど。

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谷の奥、ほとんど誰も足を踏み入れていないであろう沢で、ワサビがすこし自生していた。
葉と花を少しいただき、醤油酢のおひたしにする。
口に広がるみずみずしく、爽やかな香りと鼻に抜ける強すぎない辛み。
こごみと野蒜は胡麻味噌マヨ和え、甘草は胡麻酢和え、楤の芽はほんの少しバター醤油で。
ダウンを三枚重ねても寒く、ウイスキーを飲み飲み、こごえながらのふたりキャンプだっだけれど、
山の恵みに何度もおいしいねおいしいねと、しあわせ噛みしめながら。

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by ai-pittura | 2014-04-22 00:38 | 山へ


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