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ふりつもる線

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2013年 05月 20日

種のこと

種のこと_b0080173_23114397.jpg

その日は骨に縁のある日だった。
友人が、イタチと思われる小さな頭骨をくれた。
これは友人が毎日観察している湖岸のある場所で見つけたものだ。
時計とさほど変わらない大きさ。
こんなに小さいのに、そのつくりはどこまでも精緻で繊細だ。

この日は、帰りに突然、暗闇から大きな牝鹿が車の前に飛び出してきた。
その距離5m。
心臓が止まりそうなほど驚いて、急ブレーキを踏んだ瞬間、
さらに、もう一頭続けて鹿が現れ、左から右へ車スレスレのところを走り抜けていった。
動悸はしばらくおさまらない。
とにかく、ほんとうに良かったと深い安堵のため息をついていると、
今度は猿の集団が視線の先に躍り出た。
次は少し余裕をもって対応できる距離だったが、
湖北は本当に野生動物の宝庫だ。
山が湖ギリギリまでせり出しているため、動物は頻繁に出没するし、
人の暮らしとせめぎあっている。

滋賀に住んで、山にも入るようになってから、日常のなかで人間以外の生き物を意識することは
本当に多くなり、最近は彼らの生態にどんどん興味が湧いている。

梟に、熊に、樹々に学ばなければならないと思う。
自然界における破壊と再生、震災とその後のこと、
生き物のありようから、人間の"種"としての生き方を考えてみたい。
そこから日常という小さな地点におりたつこと。

内なる個をおりていくこと、外を知り 種をたどること、
それはどちらも同じところへ向かうように思う。
目を凝らせば、ところどころに確かな結び目は感じられるのだけれど
まだまだ茫洋としていて霞んでいる。
だから 考えたい。

by ai-pittura | 2013-05-20 00:02 | 仰木の暮らし


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