遥か彼方に見えていた頂上も、目の前の一歩を重ねつづければちゃんと辿り着くことができるのだな。
当たり前だけど、その実感はやはり大きい。
でも、頂上まで来られたことに対する感動はむしろとても静かなもので、
生き物のように産まれてはかたちを変える雲たちと、
青すぎる空の透明感が無音の風景として刻まれた。
それにしても、初の高山での10キロオーバーの荷物はしんどかった。
そのなかで風景に何度も救われ、背中を押されながら歩き続けられたこと、
登頂したことより何より、
自分の身体のもてる力をフルに使えたことや、人間の身体の凄みや可能性を実感して感無量だった。
自然のなかのちっぽけな自分、そしてそんな自分のなかに広がる大きな自然と。
なんだかわからない、でも感謝に似たおおきな気持ち。
下山の時は、早く帰りたい一心で、お風呂とお布団があんなに恋しかったのに、
帰りの車では次はどこに登ろうと考えていた。