
庭の水仙はまだ蕾がついておらず、
農協に出ていた日本水仙を思わず買い求める。
葉が美しい。
透ける花弁と佇まい、香りも。
いつから水仙を好きになっただろうか。
昔はなんだか顔がついているようで怖いと思っていた。
球根花にはなぜか気になるものが多い。
というよりも、たぶん球根に惹かれているのだろう。
それは生命の秘密に触れるようでとても神秘的だ。
雪明かりの窓を背に立つ水仙に、
ふとサンマルコ寺院の部屋にこぼれる、
小さな窓からの光を思い出す。
そして、音も無く、凛と
まるで雪の光をそのまま移したかのような水仙の香りに
しみじみと感嘆する。
何枚もスケッチしながら、それが画面に伝わらないことが
もどかしく、
でもそんなことおかまいなしに、
チコはその横でちいさな寝息を立てている、雪の日。