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2011年 12月 28日
"ヤコブからの手紙" クラウス・ハロ映像の光と影がとにかくすばらしい。 私には内容そのものよりも 紅茶を飲む行為、バターを塗る手、手紙を読む手、何気ない行為や仕草、日々の道具のうつくしさを 掬いとる視線が心にふかく残った。 "シチリア シチリア" 原語タイトルはBAARIA ジュゼッペ・トルナトーレ愛すべきイタリアの巨匠、トルナトーレの故郷バゲーリア(BAARIA)を舞台とした自伝的映画。 トルナトーレらしい切り口が随所に散りばめられる。 シチリアの小さな地方都市がきらめく宝石箱のように輝き、時間という軸をたどった時、 それは星空のように果てしないひろがりをもつ。 人間のもつすべてをひっくるめて愛しているトルナトーレの人間讃歌。 "ONCE UPON A TIME IN THE WEST" 通称"WESTERN" セルジオ・レオーネ密かなマカロニウエスタンファンでありながら今までこの映画を見ていなかったとは! カメラワーク、クレジットの入れ方、タイミング、どこをとっても絶妙。 エンニオ・モリコーネと言えば上記のトルナトーレとのコンビも素晴らしいが、 レオーネと組んだ時に映画は何層も厚くなるような気がする。 3時間という長編映画だが、二日続けて二度見て、さらにメイキングもたっぷり見た。 チャールズ・ブロンソンは文句なしで、シャイアン役のジェイソン・ロバーズがもう素晴らしい。 何年経っても色褪せることのない映画。 "ONCE UPON A TIME IN AMERICA" セルジオ・レオーネレオーネの遺作。 上記の"WESTERN""夕陽のギャングたち"とあわせてワンスアポンアタイム三部作と言われる作品。 1930年代の禁酒法の頃のアメリカを舞台としており、"アンタッチャブル"を彷彿とさせる。 デ・ニーロは名演だが、全体としてはまずまず。 "WESTERN"と続けてみると、大きく変わってゆく時代のなかで古き良き頃への郷愁や讃歌にも感じられるが、 "WESTERN"の鮮やかさは逆に時代が変わっても変わらぬものを教えてくれる。 "BABEL" アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥずっと気になっていた、ようやく見た、バベル。 重い映画。 ひとつの出来事がすべてのこととつながっている、イニャリトゥがずっと主題としてきていることは 舞台が世界に広がってもぶれることない。 菊池凛子扮する聾唖の少女が大事な役割を果たしているが、彼女が特別なのではない。 わたしたちひとりひとりが、耳が聞こえず、話すことができないのだ。目があっても見えていない。 バベルを見終え、何日か重い気持ちで悶々と考えさせられた。 イニャリトゥは言葉をこえた人と人との関わりに救いを見出そうとしたのだろうか。 私は、人がそのどうしようもなさを突きつけられ、それを自覚せざるを得なくなったときの その一筋の謙虚さが救いと思えてならない。 "卵""ミルク""蜂蜜"長編三部作 セミフ・カプランオール一節一節を心こめて綴られた詩のような、非常に繊細な映画。いままで見た映画のなかでも秀逸の作。 ほんとうに大切なことは決してことばにすることなく、 その行間のみに託した類稀なる映画。 描かないことで描くということ、描くことによってできる余白のことを 何よりも考えてつくられた映画ではないだろうか。 心のまんなかで納得できる。 一見退屈に見えるシーンも、ひとつひとつが後で意味をもってくる。 "卵"から"ミルク"、そして"蜂蜜"へ。 ユスフという男性の今からスタートし、時間を追うごとに青年期、少年期へ移行する。 そして時と共に、点と点はすこしずつ線を結びはじめ、最後の"蜂蜜"で大きく速度を増す。 映画のなかで点は完全に線になりきってはいない。 曖昧に点のまま結ばれぬもの、まだ茫洋としているものを含め、決して明快にしなかったことが この映画の嘘のなさだと思う。 映画になり得なかった部分を想像した。その部分を含めて存在するものを感じたいと思った。 セミフ・カプランオール、彼の映画をまた見たい。 叶うならば会ってみたいと思う人。 "蜂蜜"公式サイト ちなみに今見たい映画はこれ。
by ai-pittura
| 2011-12-28 00:06
| 映画
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