
私たちの家は猫の国の一部でもある。
もちろん狸や家守や無数の虫たちの国の一部でも。
裏庭の彼岸花の向こうに小さく跳ねる四つのかたまりがあった。
チコは四匹も仔猫を産んでいたことが今日わかった。
それを優しく、少し心配そうな顔で見守る半年年上の姉チータ。
実は四匹とも皆が良好な健康状態とはいえない。
チコとお揃いの白にトラ柄の一匹は片目がつぶれていて、
同じ柄のもう一匹は両目がつぶれているように見える。
パンダとよく似た白黒の一匹は目に問題はないがとても小さく
この前写真を撮った仔猫、チータと同じ全身トラ柄の子だけが
皆よりひとまわり大きく元気だ。
ここは都会とは違って、今のところ駆除の手が入ることもなく
自然のなかで野良猫が生きてゆける環境がある。
たとえ私たちや近所の人たちがごはんをあげなくとも、
彼らは蛙や虫をうまく捕まえながら食べている。
ここに住んでチコ達と生きる場を共有するようになってから
彼らとの関わりについていろいろ考えさせられてきた。
それでももう十分に情をもってしまっているチコの仔猫が
不自由な目であるため、明らかに弱々しくか細い様子は
見ていてとても痛かった。
自然は彼らを淘汰するかもしれない。
でも、それでも私は彼らをただじっと、しっかりと
つらくとも見ていようと胸に誓う。
生きていくことを、そして死んでいくことを、
その覚悟を教わっている。
今際、とは今のかぎりを必死に、必死に生きることだ。