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ふりつもる線

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2011年 03月 24日

雑感

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先日パリでシャガールの展覧会を見る機会があった。
帰国して、震災や原発関連の報道を見続けながら、何度となくシャガールの絵の感触を思い出さずにいられない。
幻想的、豊かな色彩とうたわれることの多いシャガールだが、
私は極めてリアリスト(写実ではなく写意)の画家であると感じる。
生きる苦悩ときびしさと、そのなかでの灯火のような祈り。
希望、がんばろう日本、報道でそんな声が多く聞こえるようになった。
そうなるのはまわりで痛みを感じ、必死に応援する人々にとって自然なこと。
そのあたたかさに救われる人はとても多いと思う。
ただ、はやく元気になってほしい、がんばりましょうと私は言えない。
報道のある場面、土手で障害のある妻の両手を握り、なんとか引き上げようとしたが
どうしても重みに耐えかねて手を放し、目の前で津波にのまれて妻を失ったという老いた男性の
打ちひしがれたまるい背中と何も映らぬうつろな目を忘れられない。
報道を通してでしかないが、たくさんの人々を見た。
買い占めに走る人、放射能避難区域のなかで避難せずに看護しつづける人、停電に焦る人、動じぬ人、
自らを犠牲にして支援にあたる人、時にはこどもたちの笑顔、決してくじけないおじいちゃん。
とんでもなく大きな危険を冒しながら、原発で連日作業にあたってくださっている方々、
休む間もなく瓦礫の撤去や救命作業をしてくださっている方々・・・。
いろいろな思いや考えが浮かびながら、そのどれもに言葉が追いつかないけれども
震災で感じたことはそのまま私への自戒である。
ただ見るということ、
注視しつづけること。
世界をただそのままに知るということ。受け入れること。とても難しいけれど。
長い時間をかけること。踏ん張ること。
苦しみを無理に笑顔に変えなくともいいのだと思う。
苦しみと共に生きることに意味がある。

ここ数日、ラジオを聴きながら絵を描いていた。
不思議なほど集中して絵に向かっている。
祈っています。

by ai-pittura | 2011-03-24 16:23 |


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