
ひさしぶりの春子おばあちゃんのこと。
個展が終わってから春子おばあちゃんは水彩に取り組みはじめた。
色鉛筆やパステルだと力がいるけれど、筆ならすいすい塗ることができる。
はじめた頃は、つけた絵具を一回洗ってからまた違う色をつけることや
筆がふくんでいる水の量や色の濃さの感覚をつかめず
やっぱりまだ私にはとてもむりだわ、と苦労していたおばあちゃん。
最近、すこしずつ絵具をつけることにも慣れはじめて、
パレットの上で絵具をまぜている時に、
「ああーほんとうにいい色だわねえ。」
と顔が華やぐおばあちゃんは少女のようで。
今日お家に行ったときには、
「あい先生、あの木って葉っぱがたくさんあるように見えて描いてましたけど
まんなかにしっかりと幹があってそこから小さな枝がでて葉がついていることを
発見したんです。それを見つけた時本当にうれしくって。お伝えしたくって!」
とリビングに置いてある幸福の木を描いた絵を見せてくれ、
何度も幹の部分をなぞるおばあちゃんに
私はとても胸が熱くなった。