




北海道一日目。
札幌駅のコインロッカーに荷物を詰め込み、石狩行きのバスに乗り込む。
終点で降りて歩いていると突然の雨、濡れながら歩いていると地元のご夫婦が車で燈台近くのカフェまで連れていって下さる。
石狩燈台。
右手に石狩川、左手に石狩湾、突堤のように突き出た岬、はまなすの丘。
身体を吹き上げ、叩く猛烈な風。交互に叫ぶ海と空。
誰もいない一面の芒野原。
時々草がひらけたところで出会う石狩川。
大野一雄さんが舞った来札の方角を何度も望む。
芒は背よりも高く、燈台も見えなくなり、方向感覚は薄くなり、道もなくなり
もうどこをどちらに向かって歩いているのかさえわからなくなる。
川と海が出会うところがその先にあると信じてただただ歩く。
それは辺りに散らばった骨のような流木と共に不意にあらわれる。
北の海。
青く広い夏とは全く異なる海の別の顔。
きっと北の海独特のものでもあるだろう。
風に巻かれて上下に大きく振られながら飛ぶ海鳥たち。
灰色の雲と、その隙間からこぼれる光と、白く照らされる海面。
潮風と共に吹き付けてくる泡、バラバラと背中にあたる砂、
時折よろめきながら砂浜をあるく。






それが何であるかはっきりとは言えない。
この風景を歩くなかで身体に刻まれたものに
私はきっとまた何度も会えるだろうと思った。