
春の陽気に誘われるように、展覧会への外出が多かった一週間。
京都国立博物館の等伯展は雨の寒い日、閉場ギリギリまでねばる。
それでもやっぱり人は多くて落ち着いてみることは難しかった。
10年前に初めて見たときの落雷のような感覚は、
記憶と共に増幅したのかそれとも。
eNartsの山本基展「たゆたう庭」は静かな感じに包まれた。
基さん、気になっていた人で実際に作品をみたのは初めて。
白の迷路をたどることは数珠の珠をかぞえるようだと思った。
画廊大千の坂部隆芳展。久しぶりの新作展、絵の前にただ立ち尽くす。
どこまでも潜ることができる。サラサラ降る雨の音がきこえてくる。
遥か遠くに響きがのこる澄んだ音の余韻。
坂部さんの絵はもはや絵といっていいのかはわからない。
ただそこにずっといたいと思った。
絵を見る、とは明らかに違う感覚。
気がついたら4時間ちかくが経っていた。
静寂と体に残っている確かなものは当分消えそうにない。秀逸の個展。
主人の個展も残すところあと4日。(左の写真:neutron撮影)
彼はうつわをつくる時、まず平面でかたちが思い浮かび、
それを土でつくるという。
平面に描かれたうつわと立体としてそこにあるうつわ。
カフェの方に座って、舞台のようになっているギャラリーを眺めると
また違う風景がみえます。
ぜひお越し下さい。