ふりつもる線

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2014年 11月 27日

Richard Avedon

TさんからRichard Avedonの肖像写真集 ”Nothing Personal”を見せてもらう。
めくるページが後ろに近づくにつれて、何かがぐさりと胸の真ん中に刺さっていく。
なんという描写力だろう。
大統領
女優
子ども
老人
ナチスの党員
原爆を投下したパイロット
花嫁と花婿
精神病院の患者
妊婦とそのパートナー

あらゆる立場の、無垢な、そしてくぐもった、時に獣のような顔の人々が克明に写し出されていた。
他者を見ていたはずの目はいつしか自分を見る目となった。
そこにいる人々はどれもが自分の一部にも思える。
そして撮られたそれぞれの人のなかにもすべての人が棲んでいる。

ただまっすぐにものを見る。
彫り込むように
目の前のものを見つめること。
視覚にとらわれるのではなく、
目の前に表出しているものから切り拓いていく。
彫刻家が両手で顔の起伏をたしかめてゆくように。


家に帰ってAvedonのホームページをすこしずつ見る。
肩をぐっとつかまれたように力が湧く。



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by ai-pittura | 2014-11-27 23:02 | | Trackback | Comments(0)
2014年 11月 27日

朝食

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東京/ともだちのおうちで

まっさらのシーツのような朝の光
丁寧に淹れられたコーヒー
オリーブのカットボード
こんがり焼けた硬いパン
蒸した金色のカリフラワー
きらきらひかる塩の結晶
湯気のなかのロールキャベツ
りんごと胡桃とセロリのサラダ

その風景のむこうに
火にくべられた薪のあかるさを思った。

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by ai-pittura | 2014-11-27 22:04 | 風景 | Trackback | Comments(0)
2014年 11月 24日

写真

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ここに9枚の写真がある。
2010年 新生堂での個展(私)
2010年 neutron kyotoでの個展(ジュン)
2012年 neutron tokyoでの個展(ジュン)
2013年 ギャラリーゴトウでの個展(ジュン)
2013年 白白庵での私たちの二人展(Rさんと私、ジュンと私)

展覧会に来てくださる度にTさんが胸に下げている小さなカメラで撮ってくださった写真だ。
写真を見る度に、すべりこむように
その時その時の個展の会場へと入ってゆくことができる。
どれも大好きな写真。
もぞもぞしているジュン。
すこし緊張しているわたし。
Tさんはいつも、撮られると思うよりはやくシャッターを切っていて
そのままの空気がどの写真にも切りとられていた。
早撃ちのガンマンのようなカメラマンだと思っていた。
それでいて、撮る時に威圧感や殺気はなくて、とてもやわらかい。


そんなTさんが写真を撮ってくださることとなった。
今まで、提出をせまられる度に、まともなものが無くて困っていたプロフィール写真だ。

撮ってくださる前に、どんなプロフィール写真がいいか考えておいてね、とメールをいただき
すこし想像してみたけれど、明確な像は思い浮かばなくて、言葉にできたのは
絵より前に出る感じにはしたくないということ、
ごくごく自然なさりげないものでありたいということ。

でも実際、その場に立ち、何枚も撮影していただくなかでは自分の意識が先に立ち、
さりげなくあろうとすれば、それだけ不自然になっていたと思う。
"プロフィール写真"ということにもとらわれていたのだなあと今になってそう感じる。
何枚も何枚も自分を撮られるということは初めての不思議な体験だった。
何かをしている訳でなく、撮られるためにそこにいるということも不思議な感覚だった。
カメラを見る、ということに慣れていないのだろうか。
後で考えてみれば、家のアルバムにある私の写真にはカメラ目線の写真が少ないことに気付く。
表情のかたい私にTさんは刷毛を持たせてくださり、
いろんな視線誘導の魔法をかけてくださった。
Tさんのたくさんの細やかな心遣いが、ほんとうにありがたかった。

撮っていただいた写真のはじめの方と終わりを比べてみると、自分の顔がずいぶんやわらかくなっていた。
Tさんというカメラマンのなかには、解剖学者のような鋭さと春の陽射しのようなあたたかさが同居しているように感じた。
私は、ただの自分にはまだまだなることができなかったけれど、
Tさんが撮ってくださったことは かけがえのないことだった。

本当にありがとうございました。






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by ai-pittura | 2014-11-24 01:02 | 人間 | Trackback | Comments(0)
2014年 11月 22日

西郡友典・稲富淳輔二人展@青山・白白庵のお知らせ

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「 あ り ふ れ た 景 色 」all-too-common view

日程 2014年11月22日(土)~12月7日(日)

時間 11〜19時


※会期中、木曜定休

東京都港区南青山2-17-14
03-3402-3021

写真集「途切れ時間の夢」「青い空の日に」を上梓する写真家・西郡友典は、
何気ない光景のスナップでありながらスクエアの画面に奥行きと広がりを感じさせる構図で静かな印象を留める事で
評価されている。彼の出生地である福島を襲った災害は今なお大きく爪痕を残す中、日頃暮らす東京から
折々で帰省する際に写した写真には、一見するとどこにでもありそうな景色でありながら、
しかし「今この瞬間に、確かにFUKUSHIMAに存在する景色」が存在する。

他方、滋賀県在住の陶芸作家・稲富淳輔は、私達人間のみならず生きとし生けるものを「うつわ」と言う概念に
響き合わせ、かつては用途の無い瓶の形状のオブジェ、近年は次第に実用性を帯びた「器」を作る事で表現している。
彼のユニークな点として、「うつわ」を陶芸だけでなくオイルパステルを主とした画材を用いて
「絵画」でも表す点にある。
平面的にも立体的にも展開される抽象的な「うつわ」は、素朴な質感と確かな重みをもって、
さりげなく私達の生活に寄り添う。

西郡の映し出す、演出を削ぎ落しありのままの光景としての福島の今の日常的な景色と、
稲富が土を焼き、削り、何工程も経て表現するシンプルな存在としての「うつわ」。
それぞれが自然と人為の結果であり、私達が生きる時代の産物である。自然と人間、私達と世界。
「ありふれた景色」とは、実は全くありふれていない、今この一瞬の事実である。

白白庵代表 石橋圭吾



主人(稲富淳輔)が、写真家の西郡友典さんと二人展をさせていただくこととなりました。
写真を通して福島の日常を、そして共にあるうつわ(約50点ほど)をご覧頂けましたら大変嬉しく存じます。
主人は22日、23日在廊予定です。


日日茶会 (茶人・馬場宗由)のお誘い

今展覧会のハイライトとして、「ありふれた景色」のしつらえの下、稲富淳輔のうつわを
茶道具に見立てて茶会を開催いたします。作家両名が在廊し、白白庵ですっかりおなじみの茶人
馬場宗由のお手製和菓子や創意をお楽しみ下さい。日頃お茶に親しまれていない方にも安心の、
カジュアルなテーブル式の茶会です。お誘い合わせに上で気軽にお集まり下さい。

11月23日(日) 13時/15時/17時 三部制:所要時間60分程度

料金 1620円(込)

ご予約は info(at)pakupakuan.jpまで。  (アドレスのatを@に変えてください)




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by ai-pittura | 2014-11-22 18:01 | お知らせ | Trackback | Comments(0)
2014年 11月 18日

冬の展示予定

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□2014年12月5日〜12日
 枝香庵のクリスマス展

□2015年2月末〜 
 美の予感2015 高島屋美術画廊(日本橋、京都、大阪、横浜、新宿、名古屋巡回)

どちらもグループ展です。            

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by ai-pittura | 2014-11-18 20:09 | お知らせ | Trackback | Comments(0)
2014年 11月 18日

Rainbow

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駅へ行く道で。
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by ai-pittura | 2014-11-18 19:53 | 仰木の暮らし | Trackback | Comments(0)
2014年 11月 17日

風の道

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山の天気はめまぐるしく変わる。
鈍色の雲があたりを取り囲み、一気に霧につつまれたかと思うとふうっと大きな風が吹き、
急に光が射し込み遠く青空が見える。
このあたりは”寒風”というその地名の通り、若狭湾から巻き上げられ、
一気に琵琶湖へと吹き下ろす風の通り道になっている。
冬は雪が多くとても寒いところだ。
山頂の尾根は低木しかなく、その小さな樹々も皆、風と平行に地を這うようなかたちをしている。
赤坂山から大谷山にかけての稜線歩きは季節それぞれの、そして天候それぞれの面白さがある。

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市民トレッキングでマキノ高原〜粟柄越〜寒風〜大谷山(標高差約630m、約5時間)
この日は膝のコンディションが悪かった。このところ、制作続きで筋肉が凝り固まっていたのか、
寒くなってきて調子が悪くなっているのか、ストレッチの時間をしっかりとらなかったからなのか・・
原因はわからないけれど、どれもが原因のようにも思う。
上りから痛みが出て、尾根で痛み止めを飲んでなんとか下山した。
痛み止めが切れるとずいぶん痛む。玄関の上がり框もスムーズに降りられず情けない。
雪山でのお仕事はほとんどできそうになく申し訳ない想い。
翌日おおきな病院へゆき、はじめてMRIを撮った。
先生は、腸頸靭帯炎はほんとうに治りにくいんですよとおっしゃる。
痛みは少しずつましになっている。平地を歩くのは問題なし。
また、普通に山に登れるようになりたい。
どういう風に筋力をつけ、治していくかもう少し明確にしていく必要がある。
待ち合いで名前を呼ばれるたくさんのひとの顔を見る。
皆、それぞれに病と生きているのだなと思う。
病も怪我もまた、人が自然であることの証しなのだろう。
MRIの結果は来週明けに出る。






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by ai-pittura | 2014-11-17 18:21 | 山へ | Trackback | Comments(0)
2014年 11月 11日

猫のくらし

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めめ、のらの子たちと共に。


草刈りを終えたあとの干し草の山は、猫たちのお気に入りの布団。
めめとのらの子たちがひとしきり追いかけっこをして、
ほこほこと微睡んでいるのを見ると
一緒になってここでねむりたくなる。


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by ai-pittura | 2014-11-11 18:52 | たがねとめめとみん | Trackback | Comments(0)
2014年 11月 11日

千絵さんの絵

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歩歩琳堂の林千絵さんの個展へ。
ろうそくのような仄明るい猫の背中、
隠れんぼをしてふと気付くと、本当に誰もいなくなったようにしずまりかえった夕暮れの野原、
知らない顔をした不思議な夕暮れの海、
千絵さんの絵からいろいろなことを思い描き、その物語のなかにゆっくりと浸かった。

あたたかくて、かなしくて、掌のなかの宝物をそっとのぞくような千絵さんの絵。
素敵な展覧会だったなあ。

夜は千絵さん、大橋さん、常連の方々、久しぶりのお客様とはしご酒をして
クアハウスで千絵さんと湯舟につかる。
元町はいつ行ってもいいなあ。
高架下のにぎわい、落ち着く喫茶店にすばらしいジャズ喫茶、美味しい刺身にひれ酒、よりどりみどりのビール、
中華にイタリアンになんでもござれで天国みたいだ。
歩歩琳堂ではじめて個展をしてもうすぐ7年、いつの間にか好きなお店がたくさんできた。

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by ai-pittura | 2014-11-11 18:26 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)
2014年 11月 04日

赤坂山

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10月、11月の平日は制作、大学の仕事、そして週末は山のスタッフで予定がぎっしり。
連休は高島トレイルフェスティバルで角谷ガイドがゲストに来られ、久々の嬉しい再会。
命に関わる大怪我からの奇跡的な復帰、山岳ガイドというお仕事への想い、
山での事故、低体温症についてなど貴重なお話を聞く。
翌日は集まられた皆さんと赤坂山へ。
あいにくの小雨、普段は西に日本海、東に琵琶湖を望む絶景の山頂はガスで何も見えない。
気温も高かったのでレインウェアが暑く、不快だったけれど
そんなコンディションの中登ることもよい勉強、
全員無事に登頂、下山できて何よりだった。

基本的に山に行くのは2-3人、もしくはひとりが多い私にとって
こうして大人数で登る山というのは、登山学校の時以来で新鮮だ。
ほとんどお役に立てていないけれど、スタッフとして同行させていただくことで視点が変わる。
ガイド―案内人、
いろいろなガイドさんや角谷さんのお仕事を間近で見ていると
肌理の細かい気遣い、そして視野の広さに改めて驚かされる。
今回は30人もの人が参加されていたけれど、角谷さんはところどころ列の間に入りながら
ある時は歩き方をアドバイスし、速度を思いやり、他愛もない話で笑わせ、
ほとんどの人とコミュニケーションをとっておられた。
ガイドの仕事は、依頼人を安全に目指す場所へと導くということ、
そのためには、どんな時も冷静、客観的で動じない心、広く柔軟な視点が必要だ。
言葉にすると簡単だけれど、
それはすごくむずかしいことだ。
角谷さんの飄々としたやわらかな、
それでいて何かおおきなものに護られているようなその佇まいの向こうには
厳しく大らかな自然、そして人との温かな関わりがあるのだなあと納得する。
角谷さんとの山は、目の前がひらけていくような山だ。


マキノ高原〜赤坂山ピストン標高差約630m、約5時間。
やっぱり下山残り半分が鬼門。
雨で地面が滑りやすかったこともあり、先日の大谷山より膝痛む。(低気圧のせいもあるか)
角谷ガイドから簡単なトレーニング法を、小林ガイドからはお風呂で毎日靭帯を揉みほぐすようアドバイスしていただき早速はじめる。
ありがとうございます。
次の日も少し膝は痛む。けれど太腿などの筋肉痛は全くなし。
もっと日常的に運動できるとよいのだけれどなかなか難し。





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by ai-pittura | 2014-11-04 00:11 | 山へ | Trackback | Comments(0)