ふりつもる線

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2014年 06月 17日

うめ

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一週間前、梅を漬けた。
一昨年つくった梅酒各種はまだ残っているので今年は梅ジュースのみ。
6月に入ってから、梅が売り場に並ぶのを今か今かとそわそわしていた。
今年は南高梅でなく、すこし安い古城(ごじろ)の梅を試してみる。
スッキリ、さっぱりとした風を運んでくれる青梅ジュースが飲めるのはあと一ヶ月後。

そう言えば、私が産まれてはじめて話したことばは うめ だったそう。
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by ai-pittura | 2014-06-17 22:33 | 仰木の暮らし | Trackback | Comments(6)
2014年 06月 12日

今後の予定

稲富淳輔
□7月5日(土)〜27日(日)
滋賀/ギャラリーサラにてグループ展
浦辻靖弘・田中美佐・稲富淳輔三人展 ー向きあふて歌ふ三つの蛙かなー
□8月下旬
東京にて個展予定

忠田愛
□7月15日(火)〜27日(日)
京都/ギャラリー恵風にてグループ展
大沼憲昭・竹内三雄・新田佳郎・忠田愛四人展 ギャラリー企画第11回風 明日への軌跡
□7月16日(水)〜22日(火)
東京/高島屋東京店(日本橋)にて第9回前田寛治大賞展
□8月2日(土)〜9月3日(水)
金沢/カフェ&ギャラリーミュゼにてグループ展
文学とアートの出会い−アートのソムリエ山本冬彦とギャラリー推薦作家による装丁画展−
□9月6日(土)〜10月5日(日)
鳥取/倉吉博物館にて第9回前田寛治大賞展
□10月初旬
東京/ギャラリー枝香庵にて個展

近づいてきましたらまた詳細をアップします。
どうぞよろしくお願い致します。
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by ai-pittura | 2014-06-12 18:52 | お知らせ | Trackback | Comments(0)
2014年 06月 07日

生活

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画家のIさんが滋賀まで遊びに来て下さる。
うちでお昼ごはんを食べていただき、近くの神社を散歩し、棚田とさくら山、そして琵琶湖の浜辺で珈琲を。
ゆるやかで、しずかなひと時。
会話らしい会話がなくとも、となりにある空気はたしかに朴訥で正直なIさんの佇まいで
そのことが 私たちにはただただうれしい。
ジュンとIさんは、なんだか不器用な人同士、とても似た波長で通じ合っている様子。
うしろから見ているとハナグマとアナグマが少し離れてふんふん匂いを嗅ぎ合っているようだった。

先月の末、Iさんの住む町を訪ねた。
どこも下町の生活感がにじんていて、私は一目でその町が好きになった。
Iさんの産まれたあたりを散歩し、ふるくから変わらない喫茶店で珈琲を飲み、
近所の商店街を案内してくださり、さいごにお宅に呼んでくださった。
彫刻刀で丁寧に彫られたちいさな表札、
玄関を開けたらすぐに二階へ伸びる急な階段をあがると畳の部屋がふたつ。
ひとつの部屋は6畳くらいだろうか、真ん中に机がありその上には丁寧に揃えられた紙の作品が
何枚も積み上げられている。
家具はとても少なく、すこしだけある箪笥や戸棚の中もほとんど描きかけの作品と本。
もうひとつのお部屋は寝食のために。
毎日食べるものも、お惣菜を近くの商店街で求められるIさんの生活は極めてシンプルだ。
調理器具はやかんとちいさなコンロだけ。
電子レンジも炊飯器も給湯機もない。
洗濯機もなく、着るものは全て手で洗い、お風呂は近くの銭湯へ。
テレビはほとんど見ず、ニュースはラジオから。
とても削ぎ落とされた生活。
それでいて、Iさんにはとりたててそのような意識はないようにもみえる。
欲を捨てているわけでもなく、昔からずうっとそうしてきたように、
とても自然に淡々と、ごくふつうに生活しておられる。

Iさんの部屋に、掌にすっぽりおさまる丸い石があった。
無数のちいさな穴があいている、滑らかな黒い石。
まるで誰かがすこしずつ大事に撫でているうちに長い年月をかけてそうなったような、
ふしぎなやさしい集積がそこにはあった。
それはたまたまゴミ捨て場に落ちていて、とてもきれいなのでIさんが持ち帰ったものなのだけれど、
黒い石の印象はIさんの生活にそっくり重なった。

生きてゆくこと、生活してゆくこと、
必要なわずかのことを、心をこめて大事にする。
私たちの生活はIさんの生活とはまたちがうけれど、
なんでもない一日を、丁寧に暮らし、そんな日々を重ねていけたらと、改めてしみじみ思う。

Iさん、ほんとうにありがとうございました。
たくさん連れ回してしまって、お疲れがでていませんように。
これからもずっとお元気でよい制作を。
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by ai-pittura | 2014-06-07 21:40 | 人間 | Trackback | Comments(2)
2014年 06月 01日

to float on the water

苦戦しつづけた100号の制作が終わった。
祖母の空気を描きたいと思い、しかし視覚や細部にとらわれたことで伸びやかさを失い
最後まで立て直すことができなかった。
人物を描くことの難しさを改めて知る。
でも、この苦い思いは必ず次へ。


区切りがつき、晴れやかな気持ちでK君、Nちゃん、ジュンと湖へ。
照りつける太陽、むせかえるような緑、うつくしい湖面にさらに特別な親しみをもって、
そう、今日はカヌーをレンタルしに来たのだ。

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Wooden Boat Centerの俣野さんたちが作られたうつくしいカヌー。
流線形の究極のシンプルなかたちに見惚れてしまう。
まるで鯨骨を見ているようだ。
水辺にカヌーが在るだけで風景がどこまでもかぎりなく広がっていくようで。

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とても静かだ。
お借りしたカヌーは17フィート(5m強)で安定感も抜群。
櫂を繰る。二人の場合、前の人はひたすら漕ぐエンジン役、後ろは舵取り。
慣れるまでは息が合わず、行きたい方向になかなか曲がれずジタバタするも
少しずつ感覚がわかってくる。
一定の距離を保ち、近づきすぎると逃げるオオバンを追いかけ、
魚礁の間をすり抜ける。
時々飛び跳ねる鈍色にひかる魚と優雅に水上を飛ぶサギ。

漕ぎ疲れた手をふと休めた時の静寂のふかさと、身体を吹き抜ける風の心地よさと。

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水、かたちがない。
やわらかくすり抜けてゆくのに、それでいて面で押せば強く押し返される。
川、湖、海、
水の傍にいるとこんなにも心がほどけていくのはどうしてだろうか。
伸びやかでおおらかだ。そして畏れも抱く。

水とカヌーと私たちと
どんどんその境界がぼやけていき、
空に浮かんでいるような眠気に包まれる。
いつも日々を、描くことを支えてくれるのはこういう時間だと思う。
ここ数年言い続けている、
いつかカヌーかカヤックを手に入れたい(もしくは自作したい)という夢がどんどん大きくなっていく。

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書き言葉以前の時代から、人々は水辺に住んで様々の舟を作ってきました。
水辺の数ほどの舟が作られ、行き来の中で混ざり合い洗練されてきました。水が形を整えます。
だから世界中にこんなにも多くの種類の舟があるのに、その基本の部分はとても似通っています。
そしてその多くは一人から数人乗りの木の小舟です。

続きはコチラ

これは舟をつくっておられる俣野さんのことば。
水が舟の形を整える
というそのことばにじーんとしてしまう。
そう、そんな風に絵を描いてゆきたいなと思う。
(見えないけれど)白い画布のなかにすでにある絵を、引き上げられるように。
描くというよりは、そこにあるものに手を添えるように。

はじめてお会いした俣野さんは、舟のことを話し出すと百科事典のようにあらゆることが溢れ出し、
頭はくるくると回転しもう止まらなくて、きらきらとひかる目が印象的で
とっても素敵な方だった。きっとまた、近いうちにここに来るだろう。
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by ai-pittura | 2014-06-01 23:47 | 筆休め | Trackback | Comments(0)