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2011年 07月 29日

染色

b0080173_19264981.jpg六月、考えなければいけないことに突然直面し、
しかしそれはただ茫洋と霧のように不確かで
その糸口を見つけることもできず、何もわからないまま
滞った心と反対にただ頭ばかりが忙しく動くような状態だった。
土をさわること、身体を通してその感触をたしかめることは
内奥が見えないなか、それが具体的な灯にはならなくとも
暗下ですこしずつでも何かが結ばれていくような、
そんな時間だったのかもしれない。
なんとか水平に均そうと抗う意識下の人間の不思議さと
しかしそれを常に感受できない不完全さと。

いくつかできた陶の塑を白化粧して先日焼成した。
今それらに色を施している。
はじめはとにかく色が浮いて立ち往生していたなかで、
あることに気づいた。
色をつけるという感覚は違っていた。土を染めるのだ。
上からかけるということではなかった。
しみこんだ色は内側から滲む。細かい土の粒の下ににも見えない色はあって。
染めては撫でさすることを繰り返して、ようやく色がすこし定着してきたように思う。
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by ai-pittura | 2011-07-29 21:07 | 陶彫 | Trackback | Comments(0)
2011年 07月 22日

ワークショップ@佐川美術館のお知らせ

b0080173_16515892.jpg佐川美術館での〝さがわきっずみゅーじあむ2011〟にて
ワークショップをさせていただきます。

8月6日(土)、7日(日)
定員制プログラム
開催時間 | 午前の部 10:00~ 午後の部 13:00~

”身のまわりの土で絵具をつくって絵を描こう!”
講  師 | 忠田愛
所要時間 | 2時間
定  員 | 各回15名
料  金 | サマーフェスタ参加費+材料費300円
他にもいろんな方による楽しいワークショップが
たくさんありますので是非お越し下さい。

詳細はコチラをclick

b0080173_1773147.jpg私はいつも土や石(岩)を砕いて細かくした絵具を使って
絵を描いていますが、土には本当にたくさんの種類の色があります。
火山灰が多い地域、針葉樹の多い寒い地域、温泉や鉱山のちかく、
その場所毎に出る色は様々です。
皆さんの住んでいるところではどんな色の土があるでしょうか?
ワークショップでは身のまわりにある天然の土などを材料に絵具を作り、
作った絵具を使って絵を描いてもらおうと思います。

私の好きな本に栗田宏一さんの『土のコレクション』という本があります。
栗田さんは日本や世界中の土をひとすくいずつ拾い集めて、
パフォーマンスや多くの展覧会をされていますが
この本を見ていると土の不思議と多様性にわくわくします。

ワークショップをさせていただくのは初めてで、
きっとお見苦しく、不慣れな点も多いことと思いますが
どうぞご家族でお越し下さい。
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by ai-pittura | 2011-07-22 17:15 | お知らせ | Trackback | Comments(0)
2011年 07月 18日

かくれ里

奥琵琶湖の菅浦というところに友人が連れていってくれた。
琵琶湖というのはさすがに大きいこともあって、その周辺は場所によって空気が全く違っていつも驚いてしまう。
湖北には特別に澄んだ空気がある。
入り江は浸食されたような細かい弧を刻み、湖岸によりそうように集落が点在している。
山がすぐそこまで迫っている為か、山と湖はかぎりなくひとつに結ばれ、
家々はその揺籠に眠っているかのようだ。
集落はどこか漁村の風情があり、私はいつも瀬戸内や伊根の海と家屋を思い出す。
菅浦はその奥琵琶湖のなかでも独特の場所、と友人が言った通りに
周囲の集落から完全に孤立して、山なりの入り江にひっそりとかたまって佇む菅浦集落は
まるで時がとまっているかのようなうら寂しさと共に
どこまでも静かで、ふるくから流れるうつくしい響きのあるところだった。
浜辺に座って、沖の竹生島をぼんやり見ていると湖面の波と共に自分がゆっくり流れている感覚になった。
帰り道、滝のような雨のなか、車で琵琶湖の西岸を南下していくといつの間にか
澄んだ気配の代わりに穏やかさが濃くなっていくのを感じながら家路についた。
岩手の遠野を訪れた時、こもりくという言葉の意味をはじめて身体で受けとったような気がした。
奥底になつかしさにも似た小さな痛みが走るような。
菅浦もまたそういう場所だった。

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写真を撮り忘れたので奥琵琶湖観光サイトより
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by ai-pittura | 2011-07-18 22:19 | 風景 | Trackback | Comments(6)
2011年 07月 17日

日々

マロニエの軸装展、ART OSAKAが無事終わり、昨日はneutron OPEN FACTORYのオープニングパーティーでした。
どれもたくさんの方にご来場いただくことができ、とてもありがたいです。
絵をお家に迎えてくださった方、残念ながらお会いできなかった皆様、本当にありがとうございました。
OPEN FACTORY、ニュートロン作家の今までの大作が所狭しと並んでいます。
水曜日からはneutron tokyoでグループ展が始まりますのでこちらも是非!


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b0080173_2221646.jpg庭の草花は毎日驚くべき早さで生長する。雑草が畝を飲みこむ。
緑にむせぶくらいの庭が好きだけれど、あまりの草の勢いに手で抜くには
どうにも追いつかなくなり、しぶしぶ草刈り機を導入する。
田舎のひとの雑草に対する一念はかなり強いものがあって驚く。
周りの家はあちこちから草刈り機の音、少しでも生えてきたら仇のように刈り込んでいる。
自然と人とのせめぎあい、思い通りにいかぬことは勿論、
そのやりとりは力もたくさんつかう、でも確かな手ざわりのようなものがある。
畳がぼろぼろで使えなかった部屋が、とうとう念願のフローリングに。
引っ越して半年が過ぎてやっと家具をちゃんと配置できた。建具もジャブジャブ洗って。
新しい部屋、とても居心地がよい。
まだ家にはクーラーが無く、平屋なので日中はかなり暑い日もあるけれど、
窓が多いので建具を外すと夜は風と虫の声が心地いい。
仔猫たちもすくすくと育って、チコはたまにアトリエでも授乳している。
無防備に眠る寝顔がかわいくて。
6月、とても苦しい出来事があった。
眠っていても穏やかでいられず同じ夢を何度も繰り返し見続けた。
心がかたくかたく縮こまってしまっていた。
無理に乗り越えることも切り離すこともしないでいようと思う。
そのことを歪めてしまわないように、ただただ長い時間をかけること、今はそれだけ。


※すっかりアップし忘れていましたが、春のパリ旅行記をすこし書いていました。----------------坂を降りれば
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by ai-pittura | 2011-07-17 23:13 | 仰木の暮らし | Trackback | Comments(2)
2011年 07月 11日

neutron tokyo ”来るべき世界”

b0080173_1751265.jpgneutron tokyo 夏の特別企画展 『来るべき世界』

期間:2011年7月20日(水)〜8月14日(日)月曜定休

時間:11:00〜19:00(最終日の展示は18:00まで)

場所:neutron tokyo

☆最終日の展示は18:00までとさせて頂きます。
★初日:7月20日(水)の18:00~20:00に、
会場で一部出展作家を交えての
オープニングパーティーを開催致します。
無料ですのでぜひご参加下さい。

私達の住む世界を一変させた、未曾有の大災害。三月十一日以前 とそれ以後では全く様相が異なる中、
この時代に生きて制作する作家は、果たして何を思い、感じ、生み出そうとするのだろうか。
現実世界の虚飾が剥がれ落ちた目の前の光景から逃げず、
「3.11」以後に制作された作品のみで構成される展覧会。(neutron HPより)


【 出展アーティスト 】
 足田メロウ / 池田孝友 / いちかわともこ / 稲富淳輔 / 伊吹拓 / 入谷葉子 / 大槻香奈
 衣川泰典 / 金理有 / 齋藤周 / 酒井龍一 / 櫻井智子 / 塩賀史子 / 髙橋良 / 谷口和正
 忠田愛 / 任田進一 / 中比良真子 / 西川茂 / 林勇気 / 廣瀬育子 / 前川多仁
 益村千鶴 / 三尾あすか&三尾あづち / 森太三 / 矢野耕市郎 / 大和由佳


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東京のneutronにて主人と共に『来るべき世界』に参加いたします。
私は震災直後に描いた絵を出品します。
震災そのものを主題とした絵ではありません。
しかし、意図しようともせずとも、望む望まないに関わらず
そこで感じたことは自然と絵にあらわれてくるのだということを切実に感じさせられた一点です。
私たちは今回残念ながら上京できませんが、ご覧いただけるとありがたいです。
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by ai-pittura | 2011-07-11 17:58 | お知らせ | Trackback | Comments(0)
2011年 07月 06日

掛軸

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四条河原町のギャラリーマロニエにて試み展〈軸装〉が昨日より始まっています。
搬入の時、出揃った12幅の軸装がそれぞれの絵を見事に引き出していて、表具師栗山さんに脱帽でした。
掛軸というのは不思議なもので、その前に立つと着物を着るときのように
心がしゃんと、背筋を正されるものなのですね。
軸は掛けっぱなしにしていても、しまいっぱなしにしていても固まって傷んでしまう。
しまうのは晴れの日に、そして年に二度虫干し、
決して扱いが楽な訳ではありません。生きものなのです。
昔は季節と密接に関わり、迎えるお客様によってもかけかえられていた軸、
旬のものをいただき、庭のちいさな花をいけるように、
掛軸は暮らしに寄り添っているものなのだと。

展覧会は10日までです。是非お越し下さい。
そしてあさって8日からはART OSAKAです。こちらも是非!
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by ai-pittura | 2011-07-06 21:18 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)