ふりつもる線

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2010年 04月 25日

b0080173_215756100.jpg田に水が入る。
水の上に雲が流れてゆく。それを見るのがとても好きだ。
野の花が咲き乱れ、若葉が芽吹く。夜、蛙の合唱がはじまる。
冬オリオンを見上げた位置にいま北斗七星。
毎週、版画工房に行く度ちがう風景に、季節の変化を感じる。
ナノハナと一口に言えど水菜の花、白菜の花、アブラナの花は
全然違うこととか、いつもそこには新鮮な驚きと喜びがある。
些細なことを知りたい。
いつも食べている野菜がそれぞれどんな花を咲かせるのか。
飛んでいるあの蝶は幼虫の時、何の葉をたべて育ったのか。
夏に向かって雲はどう変化するのか。
トンビの舞う高さは季節によって違うのか。
版画の腐蝕待ち時間のなかではそんなことに夢中になる。

冬からはじめたキャッチボール。
一から足、腰、肘、手首、バラバラの意識をつなげてゆくこと。
その点がすこしずつつながってゆき、ボールが走った時の何ともいえない爽快感と
ギューンと伸びる相手の球を受けた時の、グローブが弾けるような音と手のシビレ。
投げる。受ける。とてもシンプルだ。会話より筒抜けだったり。
ひとりとひとりだけがいて。
息があがってくる。腕が下がってくる。
疲れて休みたくてもつづけるなかで、ふっと何かが抜けたようになる時。
そうなるまでにとても時間がかかるけれど。キャッチボール、すっかりハマってしまった。

このごろ絵を描いているとき、交互にあらわれるのは
版画に、自然に、キャッチボールに、教えられ、気づかされていること。
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by ai-pittura | 2010-04-25 23:33 | 版画 | Trackback | Comments(0)
2010年 04月 21日

展覧会いろいろ

b0080173_1444309.jpg春の陽気に誘われるように、展覧会への外出が多かった一週間。
京都国立博物館の等伯展は雨の寒い日、閉場ギリギリまでねばる。
それでもやっぱり人は多くて落ち着いてみることは難しかった。
10年前に初めて見たときの落雷のような感覚は、
記憶と共に増幅したのかそれとも。

eNartsの山本基展「たゆたう庭」は静かな感じに包まれた。
基さん、気になっていた人で実際に作品をみたのは初めて。
白の迷路をたどることは数珠の珠をかぞえるようだと思った。

画廊大千の坂部隆芳展。久しぶりの新作展、絵の前にただ立ち尽くす。
どこまでも潜ることができる。サラサラ降る雨の音がきこえてくる。
遥か遠くに響きがのこる澄んだ音の余韻。
坂部さんの絵はもはや絵といっていいのかはわからない。
ただそこにずっといたいと思った。
絵を見る、とは明らかに違う感覚。
気がついたら4時間ちかくが経っていた。
静寂と体に残っている確かなものは当分消えそうにない。秀逸の個展。

主人の個展も残すところあと4日。(左の写真:neutron撮影)
彼はうつわをつくる時、まず平面でかたちが思い浮かび、
それを土でつくるという。
平面に描かれたうつわと立体としてそこにあるうつわ。
カフェの方に座って、舞台のようになっているギャラリーを眺めると
また違う風景がみえます。
ぜひお越し下さい。
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by ai-pittura | 2010-04-21 15:34 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)
2010年 04月 09日

忠田愛展 ”雲下の素描” のお知らせ

b0080173_21403898.jpg忠田愛個展 ”雲下の素描”

2010年5月19日(水)~6月6日(日)
11:00~19:00(最終日〜18:00)
月曜定休
neutron tokyoの1.2Fギャラリーにて。
・・・・3Fギャラリーでは谷口晋也さんの展覧会(陶)と同時開催。

初日(19日)18:00~オープニングパーティー(無料)
是非お越し下さい!!
旧作から新作まで、ここ数年の制作の流れが見えるような個展に
したいと思っていますので是非ご高覧頂きたく存じます。

初日、20日は上京していますので会場にて皆様をお待ちしております。

DMができましたらお送りします。
ご希望の方がおられましたらご連絡ください。
aipittura(at)hotmail.co.jp

〒107-0062
東京都港区南青山二丁目17-14
地下鉄銀座線「外苑前」駅より徒歩約8分、
「青山一丁目」駅より徒歩約15分
※駐車場はございません。     03-3402-3021
gallery comment・詳細ページ




雲下の素描

ただそこにあるものを見ようとすること。
それが私の願いであり、全ての絵は過程ともいえる。
 
描くことは私にとって
時間とともに線を重ねていく作業でありながら
同時に、一枚一枚層を剥ぎとってゆき、
そこにあるものを削りだそうとする試みである。
言いかえるなら、糸をたぐりながら深海から引きあげようとする行為。
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by ai-pittura | 2010-04-09 21:48 | お知らせ | Trackback | Comments(6)
2010年 04月 08日

そして

立ち上がってきた絵のむこうに言葉があること、
そこで話し、話されることがあり、
それをきっかけに照射されたところをたどってみるということ。
その円環は、自分と他者のコミュニケーション、体の内と外、人と自然、
いろんなことで言い換えられると思う。

田中泯さんのこんな文章をみつけた。
踊りはひたすら感覚の世界にあり、次第に言葉で理解される世界に近づいていく。
そして最終的には言葉で説明できないもの、感覚に戻る。

来月、泯さんの独舞を見にゆこうと思っている。
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by ai-pittura | 2010-04-08 16:28 | | Trackback | Comments(2)
2010年 04月 07日

ことば

むやみに言葉が氾濫していることを感じる。
チャット、ツイッター、mixi、ブログ、作品や展覧会にはコンセプト・・・
多く、言葉にしすぎていると思う。私も含め。

人の水底には何かことばのようなものが漂っている。
ことばになる前のもののような。
それはかんたんに引き出すものではない。
知っている言葉にあてはめたり、
言葉でもって話そうとしたらちがうものになってしまう部分、
そこに向かってじっと耳を澄ますこと。
ひとりの静かな時間が必要だと思う。
不思議だけれどその時間のなかでは、ひとりであってひとりでない。
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by ai-pittura | 2010-04-07 21:35 | | Trackback | Comments(8)
2010年 04月 02日

ダーツの旅

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目をつぶり、地図帳をひらいて竹串をぐさっと刺した先は岐阜県長良川鉄道周辺でした。
ゆいと二人旅。米原、大垣、岐阜、美濃太田で乗り換え、一両の小さな長良川鉄道に乗り込む。
まずは郡上八幡の大滝鍾乳洞を目指し山道を歩く。
この鍾乳洞は全長1キロ弱、秋芳洞よりはずいぶん小さいけれど
迷路のような細いコースは貸し切り状態でかなりの見応え。
鍾乳石の神秘、それは奥底から光を放っているようでもあり、
わくわくするような感動と共に水を打ったような静けさもあって。

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4日間の旅はあっという間だったけれど、ただひたすらに歩いた毎日。
白山の麓、長良川鉄道終点近くにはまだたくさんの雪が残っていて、
まぶしい白の棚田や山道をうさぎの足跡と共に歩いて
白山信仰ゆかりの神社や滝に会いにゆきました。
道ゆく人が本当になく、標識も営業しているお店も無く、
20キロちかく歩きながら
二人で分け分け食べた栃の実せんべいの味。
そして、私たちを迎えてくれた阿弥陀ヶ滝。
縄文杉の森の香り。
目が眩むような、引き込まれそうな青の矢納ヶ淵。
小雨で冷えきった体にしみ渡る温泉と風呂上がりのビールと夜の宴。
霧のなかに遠くなっていく小さな山々。
たくさんの偶然と無駄にも支えられて、出会わせてもらったものたちに
心から感謝をこめて。


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by ai-pittura | 2010-04-02 22:37 | | Trackback | Comments(2)