ふりつもる線

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2009年 01月 30日

雨の日

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今日は描きながらヴィソツキーをくりかえし聴く。
曲が終わった後、しゅうしゅうと盤が空回りする音の孤独が入り込んでくる。
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by ai-pittura | 2009-01-30 22:03 | | Trackback | Comments(8)
2009年 01月 27日

春の山

今月から週に一回、春子おばあちゃんという人の家に行っている。
春子おばあちゃんは95歳、お家のベッドで寝る時間がほとんどという生活をしている。
少し前までは書道をしたり俳句をつくったり、読書や絵を見に出かけるのも好きだった。
いまはそんなことも難しく、ずっと家で変化のない日々を過ごすようになり
どんどん元気もなくなるおばあちゃんを心配して、家族の方が私に一本の電話をくれた。
それは、おばあちゃんの絵の家庭教師をしてもらえないですかという内容のもので
在宅介護のなかに絵があればいいなあと思っていた私は二つ返事でOKさせてもらった。
と言っても家庭教師なんていう大それたものではない。
春子おばあちゃんが以前たくさんの俳句をつくっていたことを知り、
その俳句につける絵を描こうということになった。
俳句には花や草木がたくさん出てくる。
そして図鑑の写真を見たりしながら一緒に絵を描く。
春子おばあちゃんが頭に思い浮かべている風景を紙の上に具現化していけるよう
ゆっくり話しながら少しずつ引き出していく。
伊吹山のふもとに電車が走っていて
北濃駅っていう駅があるんよ。
そこが終着駅でね、まっすぐに道がのびてて
その行き止まりのところに桐の木があって
お花が咲いてるの。
薄紫色で、ちいさな百合みたいなかたちかなあ、
上のほうにだけ咲いてて。
やっぱり桐の花がいちばん好きですねえ。
でも全然描けないわ。何もかもわからなくなるの。
ああ、そうススキも生えててね、
伊吹山っていう山が遠くにあって。

断片をつむぎあわせるように、ひとつひとつ少しずつ描いていく。
そして、すうーと直線の上に盛り上がった伊吹山の曲線が、まるでそのまま写したかのように
比叡山の稜線に似ているのを見た時、突如胸が熱くなった。
ふと春子おばあちゃんの窓を見やると、その日も比叡山が美しかった。
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by ai-pittura | 2009-01-27 20:19 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(8)
2009年 01月 27日

制作開始

b0080173_0213119.jpg久々の大作、予想以上に楽しい。
木炭で大体アタリをとり、ちぎった黄和紙を貼っていく。
この時いつも、膠がにじんで濡れた土、色濃くなった和紙の重なり、
濡れた和紙から透けて見える陶土のひび割れに、ほうと見とれる。
ものが水気を含んだ時のみずみずしさには古今の人が魅了されてきたことだろう。
この状態を最後まで残せないものだろうかと思う。
しかし同時に、いや残してはいけないのかもしれないと考える。
それは消えてしまうから素敵なのかもしれない。
いや、消えてしまうんじゃなくて、見えなくなっても
それを内包するようなものがつくれたら
なんていいんだろう。
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by ai-pittura | 2009-01-27 00:43 | | Trackback | Comments(4)
2009年 01月 25日

充電

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焼き肉新年会でもう倒れそうなほどたらふく食べさせていただく。
こんなにおいしいお肉は初めて。本当にごちそうさまでした。
ものすごい新鮮だから表面をさっとあぶっただけで食べられるトロトロのお肉。
次々出てくるいろんな種類のお肉を焼くことにみんな必死。
しばらく絶食でもいいぐらいたくさん食べました。
ゆっくりお話してみたかった作家さんと同席できたのも嬉しかったし、
一晩中話し込んで自己確認できたことが多くあって、とても重く、いい時間を過ごす。
ああ、絵を通してこんな人たちに出会えたんやなあ。
思い切り充電。
これからガソリンの制作を終えるまで禁酒、禁遊。
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by ai-pittura | 2009-01-25 20:44 | 筆休め | Trackback | Comments(2)
2009年 01月 23日

VS膠

猛烈に忙しい毎日を過ごしています。
展覧会、ガソリンのために描くモチーフもようやく決まり来週から制作開始。
3週間で完成を目指す。未知の世界です。とにかくまずはやるしかない。
久々の大作です。
困ったことはアトリエが寒すぎて、絵が全然乾かないこと。
さらには膠がすぐにかたまってゼリー状になる。
画面上の絵具も乾いて定着するよりも早くゼリー状になるという惨状。
もちろん筆先もそう。
自分が寒いのは我慢出来てもこれじゃ全然絵が進まないということで
えいやっと遠赤外線の高額電気ストーブ購入。
かなりマシになったとはいえ、それでもゼリー化現象は回避出来ない京の寒さって!
私は濃いめの膠を使っているため余計です。
ぬるま湯で絵の具をとくなどさらなる対策を講じるつもりですが
極寒の地で日本画を描く皆さん、一体どんな風にしていますか?
誰か教えてくださいー。
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by ai-pittura | 2009-01-23 21:38 | | Trackback | Comments(2)
2009年 01月 17日

景物

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まるで星雲のような

↑ 何だと思いますか?
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by ai-pittura | 2009-01-17 22:03 | 風景 | Trackback | Comments(4)
2009年 01月 16日

取材

閉ざされた場所というのは日本にいくつもある。
今まで取材を試みて、かたく拒否された時の落胆も、ああまたかという感じになってきた。
普段の生活の中で肉を食べていても、死や血を目にすることはほぼない。
私は他国の肉屋で豚の巨大な肉塊が天井から吊り下げられていたり、
皮を剥がれたままの兎やトリが売られていたり、沖縄で豚の頭が市場に積み重なっているのを
見た時、日本本土でそのような情景をほぼ目にしないことに
一種の恐ろしい違和感を感じた。
売られている肉は、動物の匂いも生死も連想させない別物の「肉」になっているように思えた。
牛や豚の屠場、解体処理場。
それを絵に描く描かないというより、普通に肉を食べるひとりの人間として
命をもらっていることを、肉になっていくあるがままを認識したかった。
そして、その仕事をしている人たちを尊いと思ったから。
見事に断られた。
過去の差別問題も絡んで複雑であることは予想していたが、それに加え個人情報保護法や
プライバシーに関することも言われた。
無論見知らぬ他者を受け入れ、前例をつくる諸々のリスクは承知だが
閉ざすことで社会は大きな何かを失っている。
個人保護の法律が人と人を切り離すものでないことを願う。
動物(犬猫など)殺処分場。
それは交通の便が悪い山の中や町のはずれにあることが多いように思う。
千葉など一部の地域で一般見学を受け入れているところもあるが
私が見学を尋ねたセンターの対応はひどかった。
「そんなん見るもんちゃうよ。職員でさえ見ることないし
ボタンひとつ押したらガス室に送られていくだけで今全部機械ですわ。」
その時、手の震えが止まらなかった。

「残念ながら今は全部コンピューター制御ですわ。」
似た言葉を聞いたのはこの前だった。
N精鋼所という古くからの大きな工場がある。
遠くから見ると鉄錆をまとった体が美しい。
側に寄ると周囲を巡る無数のパイプや線が圧倒的な存在感を放っている。
是非中を見てみたく、本社に申し入れてみたが、革張りソファの部屋に通され、
現場はヘルメットかぶったり危険もあるし見学はお断りしています、とのこと。
きっちり体制ができあがっている企業はもう難しい、と町の小さい鉄鋼所に行ってみる。
大きく開いた入り口から青い火花を散らして働く人たちの姿がすぐそこで見える。
おー!これこれ!と思って入ってみるが、
「ノウハウとか知られたくないんでお断りします。」とのこと。
もうあきらめかけ、段々歩みも重くなってきた時、ひとりの労働者と出会った。
屋根も曲がり、とても小さく、吹きさらしで全く快適とは言えないその場所で
ただもくもくと手を動かしていたその人を眩しいほどに思った。
どんなに機械化が進もうと、機械だけにすべてを任せられることなんてありえない。
コンピューター関連の仕事をするのも人。
手仕事は、少なくなっても決してなくなることはないものだ。
取材で現場の空気に触れて感じることはとても多い。
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by ai-pittura | 2009-01-16 14:43 | | Trackback | Comments(4)
2009年 01月 15日

人間の色気

私はふと、自分がとても多くのものを持ちすぎているのではないかと思う時がある。
生きていくために必要なものなんてほんのわずかだ。
つまらぬ身ぐるみ剥いで、どうしようもない自分だけで。

はじめて出会ったとき、その人の姿形からはニンゲンの魂が剥き出しになり外に飛びだしていると思った。
飲み屋に向かう道で少し後ろを歩いたとき、さらされたその魂が身体から垂れ下がり
地面の上を引きずられていくのを見たように思った。
二度目に会ったとき、魂は骨と皮をまとい、粋な服を着ていた。
そして今度は溌剌と、爛爛としていた。
西村宣造、版画家。大阪、飛田は山王町出身。
歩歩琳堂の中心作家である。
梟、生まれたての赤ん坊、黒曜石・・・
この人の中には一見何の接点ももたないものたちが
折り重なり同居していることを感じる。
まるで青白い熱をもった星のような
65歳、色気のある男の人。
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by ai-pittura | 2009-01-15 01:43 | 人間 | Trackback | Comments(0)
2009年 01月 10日

工場町2

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私たちの生活を支えている風景。

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by ai-pittura | 2009-01-10 12:37 | 風景 | Trackback | Comments(2)
2009年 01月 10日

工場町1

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工場町を歩く。
鉄錆と化学薬品の匂いが鼻をつく。
粉塵が目に入ってくる。

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by ai-pittura | 2009-01-10 12:33 | 風景 | Trackback | Comments(0)