ふりつもる線

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2007年 08月 30日

立ち止まって充電

造形大のアシスタントの仕事が終わった。
一週間、人物制作の授業を担当し、その期間先生や先輩とたくさん話せ、
仲良くなれた生徒さんもいて充実していた。
でも仕事も1日12時間を超えるともう限界。とにかく疲れた。
読書週間にしようと思っていたが制作も読書もまったくできなかった。

その疲れを癒すべくエステをしている友人Mのお店に行った。
この前Mが「結婚祝いにしてあげたい」と言ってくれ、今日はすっかり甘えさせてもらった。
外見的な美にこだわりを持つことに対して否定的な私にとって、
今までイメージの中でエステやエステに通う人にどこか複雑な気持ちを隠せなかった。
でもMのエステは全然違う。
彼女は福祉の仕事もしていて、その中でエステセラピーも取り入れようと頑張っているのだが
今日その意味をよく理解できた。
今の私は臨時収入や少しゆとりのある時間ができたとしても
ゆっくり疲れを癒すために使うという選択は無く、本や音楽に消えている。
ほとんど化粧もせず、太陽には焼かれるがまま、化粧水も塗ったり塗らなかったりいい加減な私に、
Mはもったいないくらい丁寧にケアしてくれて、
それは時間と共にじわぁーっとやさしくしみこんでいった。
そして体の奥で、何かを許してもらった時のような豊かな安堵感が広がっていた。
Mの夢はまだ実現していないが、この手のあたたかさは、
ことばではどうにもならない閉ざした心を溶かすことがあると思う。
そして自分では許せなかった自分を、許すきっかけをつくることにつながるかもしれない。
肌がきれいになることは付属する結果であり、それよりも過程が美しいMのエステだった。
私はとても弱い人間だから休んだり甘えたりすると、そこから立ち上がることをやめそうで、
ならばずっと走っていようと思っているけど、
ほんとに疲れた時はこれからMのところに行きたいと思った。


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by ai-pittura | 2007-08-30 22:23 | 人間 | Trackback | Comments(8)
2007年 08月 23日

イタリアの海へ

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海の夢をよく見る。
夏の終わりを告げるかのような嵐が京都を濡らし、
今年行けなかったその焦りからか心は夏の海を渇望する。
でも手帳に隙間は無く、アルバムを繰って
いちばんあざやかだった夏の海を旅する。





イタリアの旅アルバムから
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by ai-pittura | 2007-08-23 22:33 | イタリア | Trackback | Comments(4)
2007年 08月 21日

極上の二軒目と夏バテ

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お気に入りの''二軒目''は鳥居前の屋台と決まっている。
晴れている日には、どこからかやってきてはひょっこりと立つ酒場。
オレンジ色のビニールシートからこぼれるあかり。
中は煙と焼き鳥のにおい、ぬか漬け、マッコリ、おでん、
たまに酔っぱらいが隣の席からビールをさしいれしてくれたり。
これに勝る''二軒目''に私は一生出会わないだろうと思っている。
この近くに越してきてからというもの、足しげく通っている場所である。
先日、高校時代の友達Mと夜ごはんを食べた後ここに連れてきた。
さすがに夏のテントは扇風機が隣にあっても暑かったが、
めくれたビニールの間から星が見えていた。
おしゃれでゴージャスなレストランでワインを注いでもらうのも、確かに悪くはないが、
こういうところで昔からの友人と飲んでいると、
自分はまだとびきりちっちゃくて、これからどんなことだってできる、そんな気分になる。

さて、美術予備校の夏期講習は今週が最後の週。
予備校が休みの日以外、朝から夜までずっと頑張った子もいた。
その頑張りは受験なんて関係なくずっと向こうまで続く可能性をつくっただろう。
60歳を過ぎて毎週2回デッサンに通い、この暑さの中野外スケッチに励むおばさんもいる。
見習わねばならない・・・と思いつつ
私はどうも夏バテしたよう、昨日仕事から帰ったら目眩がして、視界が狭まっていき
横になったらそのまま眠りに押し流された。
目が覚めると気分が悪く、あまり食欲もない。
今週と来週は朝から夜までの仕事がずっと続き、動物園クロッキーにも行けないので
仕事をしながら、合間を縫って読書週間にしようと思う。
ひとまず、アントニオ・タブッキ『レクイエム』、辻邦生『夏の砦』読了。


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by ai-pittura | 2007-08-21 21:29 | | Trackback | Comments(4)
2007年 08月 19日

柱のキズ

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ぜんぜん変わらない場所ってあるもので、
高校の通学路にあったほんやら洞に寄っては友達と話し込んだり、
試験前にはみんなで集まって勉強(?)したりした。
数年の時を経て、ある画家に連れていかれた八文字屋という飲み屋で、
オーナーの写真家、甲斐さん(ほんやら洞創始者のひとりでもある)と出会う。
そのころ甲斐さんは直接ほんやら洞の経営に関わっていなかったが
もう一度カムバックするということで、「バイトしてよ」と言われ
オープニングに立ち会い、しばらくバイトした。
それが7、8年前。
それから大阪に帰ったり、ちょっと離れたところに住んだりで
すこし足が遠のいていたのだが、
久しぶりに行っても変わっていないことにびっくりした。
雑然と積み上げられた本も、においも。
あの汚かったトイレは前に変わってたけど、甲斐さんもSちゃんも年は重ねても
空気は一緒だった。
いろいろあったな。いい出会いもあったけどしんどいこともあれこれ。
今日、10月の画心展会議でブルースカフェに行ったら
昔から八、ほんやら洞の常連客Mっちゃんや少しバイトの時期が重なっていたYさんに会った。
不思議なものだ。
それにしても常連客には昼間から酔っぱらってる人多いな。
私はあの頃から状況はたくさん変わったけど、
感覚はたいして変わっておらず、走馬灯のような記憶に包まれ、
過去と現在の間を何度も往復したような酔いが頭を巡り、ぼーっとした。


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by ai-pittura | 2007-08-19 17:46 | | Trackback | Comments(6)
2007年 08月 17日

大文字の送り火

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京都の伝統行事のひとつには五山の送り火というものがあり、
毎年8月16日に京都を囲む5つの山に先祖の霊を送る火がともされ
これをもってお盆がしめくくられる。
私の家からは大文字山がかなり近くに見えるので、
昨日は他府県の友人たちやイタリア人、大阪から母も来てベランダでバーベキューをした。
みんなで集まってわいわい食べるごはんは本当に楽しい。
お盆は、亡くなった先祖をそっと偲ぶ時でもあり、
久しぶりに集まった親戚や友達と思いっきりどんちゃんさわぎをして
みんな仲良くやってるよと報告する時でもあると思っている。
昨日聞いた話だが、お供え物に野菜の馬や牛をつくる訳は、
馬に乗ってはやく家に戻ってきてほしいという思いと
牛にゆられてゆっくりむこうに帰ってほしいという願いからきているそうだ。

さて皆様はどんな風にお盆を過ごされましたか?
私の仕事は美術予備校の方も制作の方もお盆だからといって
休みはないので、私も旦那も実家にゆっくり帰ることもできず
普段と同じ生活でしたが、昨日送り火を見て少し、むこうとここを思いました。

そうそう、昨日警察から電話があって
盗られた自転車が見つかったそう。信じられない。
明日引き取りにいくことになったのだが
かなりうれしい、さすが日本の警察だ。
心配してくれた方、ありがとうございました。

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by ai-pittura | 2007-08-17 19:35 | 京都 | Trackback | Comments(3)
2007年 08月 14日

私の自転車どこですか?

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毎年この時期は恒例の下鴨納涼古本市。
本好きの私にはたまらない行事。
京都で大きな古本市は年に3回あり、まずゴールデンウィークにみやこめっせで、
お盆のこの時期下鴨神社糺の森で、そして秋に百万遍知恩寺で。
中でも私は平安時代からの原生林、糺の森に市が出る夏のが一番好きだ。
入道雲が占領する空のもと糺の森にすべり込むと
大きく茂った木々の下、急に涼やかな風が吹き抜ける。
こんなところで古本を見て歩けるなんてまったく贅沢だ。
今日は人もかなり少なく、ひとつひとつ時間をかけてゆっくり見て歩いた。
それにしても楽しい。
美術書から古地図、絵本、洋書、なんだってある。
しかし、あまりにゆっくりしすぎて、時計を見たら出勤5分前。
いろんな店で目星をつけていたにも関わらず
結局、辻邦生さんの本だけ買って飛び出すはめに。
古本市は16日まで。もう一回行けるといいんだけど。
京都の方は是非お急ぎを。

今日は仕事の後、LPを探しにふらっとお店に寄ったら、
そこの人と2時間も話し込んでしまい、かなり楽しかった。
いろいろ試聴させてもらい、本や映画の話もした。
いい気分で店を出たら自転車が盗まれていた。
ナポリに行ってからというもの、あまりに日本は治安がいいので
どうも安心しすぎていたようだ。
とりあえず、私の生活、自転車がなければ相当不自由になる。
出てきてくれることを祈るばかり。


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by ai-pittura | 2007-08-14 22:31 | 京都 | Trackback | Comments(6)
2007年 08月 12日

刺激をうける

今日は盛り沢山の一日だった。
仕事をして、久しぶりに染織のMと会って互いの近況報告をしたあと、
バスを待っていたら向こうから笑顔で手を振って歩いてくる人がいて、
よく見ると彫刻のM先生。
M先生には学生時代から素材の扱いやイタリアのことなどよく相談していて、
手のかかる私だから何かと気にかけてくれ
卒業してからも時々電話を下さるのだが、久しぶりに話せてうれしかった。
その後菅原健彦展へ。菅原先生の個展は先週にも仕事帰りに寄って、今日2回目だった。
ニュージーランドに滞在しておられた時の風景からのイメージ、大作が並ぶ。
菅原先生と言えばダイナミックな水墨の印象が強いが、
今回の個展は音のように色が使われていた。
今日は会場に先生がおられ、少し絵の話を聞くことができた。
私にとって菅原先生の絵から受ける印象と人柄から受ける感触はずっと一緒だ。
だから信じられるし、ことばが先に歩くことのない人だと思う。
最後、私にも深いお辞儀で見送ってくださった姿が残った。
本当に行ってよかった。
大丸の美術画廊、京都若手作家による新世代の日本画展のギャラリートークは
途中からの参加だったけれど大盛況でおもしろかった。
そこで、いい絵だと思っていた作家さんやギャラリーの方と新たな出会いがあり
楽しい時間を過ごさせてもらった。
その後、flowing KARASUMAへ移動してお茶。
旧銀行の古い建物を複合施設にして4月に完成したことは知っていたが
ここ、後藤繁雄さんプロデュース、grafリノベーションだったとは今日初耳。
ご一緒した方は後藤さん関係の方でスタッフの方ともお知り合いだったので
奥の方まで見学させていただき、楽しかった。
この建物、銀行の大きい金庫部分を本屋スペースにしていて、
高い天井を利用してカフェ、ダイニングスペースをつくり、
タイルや照明など古い部分もうまく残し、きれいな空間になっている。
それにしても、後藤さん本当にいろんなことしてるなぁ。

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by ai-pittura | 2007-08-12 23:38 | 展覧会 | Trackback | Comments(3)
2007年 08月 11日

次はどこを旅するだろう

b0080173_21322755.jpg先日モーターサイクル・ダイアリーズを見た。
ビデオ屋で前を通る度に気になっていた映画で、
エルネスト・ゲバラ(後の革命家チェ・ゲバラ)と親友アルベルト・グラナードの
南米大陸10000キロ縦断の旅がモチーフとなっている。
これは実際のゲバラの旅行回想記「モーターサイクル・ダイアリーズ」と
グラナードの旅行記を下敷きにつくられたものだ。
見た直後もいいと思ったが、それ以上に数日経った今になって
胸がつまり、思い出し泣きしそうになる。

生きていく中にはきっとその時にしか受けとることのできないものや
ひとりでしかできないこと、そして仲間とだからできることが絶対あって、
その先に旅がある、その感覚を私も持っている。
18、19の時、青春18切符をにぎりしめて一人旅をくり返した時期があった。
当時、私は感情の起伏と好き嫌いが強烈に激しく、
絶対に許せないことがとても多くあり、
なんでも白黒ハッキリさせなければ気が済まなかった。
しかし、人の言うことには耳をかせなかったのに、風景はいつも自分を変えた。
少し前の日記にも書いたけど最近、私は特に変わってきた。
白から黒に、黒から白に向かうイメージの中に紡ぎだされる色がとても好きだけど、
鮮やかな花の色の中にも色が見えはじめた。
今まで何も感じなかったものが突然心にふれてきたり、
世界がざわめきはじめた、そんなかんじだ。
でも変わったのは世界じゃなく自分で、
それはきっと今までよりもっと細かいところに疑問符をもちはじめたからだと思う。
疑いをもつことは信用しないこととは違い、信じられるようになるためにする行為だ。
旅が人を変えるのは、そういうところだと思うし、
ゲバラをゲバラたらしめたのが無鉄砲で美しいあの旅だったのだろう。
主演のガエル・ガルシア・ベルナルがひときわ光っていた。
彼はすごくいい役者だと思った。


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by ai-pittura | 2007-08-11 22:23 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2007年 08月 08日

知っていますか?

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象は人間には聞こえない低周波をつかって、それを足の裏で感知し遠くの仲間と会話をする。
象には遠くで降っている雨も、雷もわかる。
年老いた象だけがオアシスの場所を知っている。
象が死んだら、仲間はまわりを囲み、鼻を上げ、擦りよせて弔う。
象が死んだあと、そこにはたくさんの草木が生える。
それは、次の世代のために、大量の木の実や種を食べて死んだから。
象は、よろこびや悲しみや痛み、豊かな感情を特に多く持っている動物で、
人間を共に生きる仲間として認め、愛してくれる。
象は何年会わない期間があったとしても
自分を傷つけた人や愛した人を忘れない。

私は今、京都の動物園でミトを描いている。
今日はミトの誕生日だった。
天真爛漫で子供のように見えていたミトは今日36歳になったという。
象の寿命は60年前後とのこと。
ミトの中にはたくさんのものがある。
これからもずっと彼女を見ていたい。
この前、ゾウのはな子がドラマ化されていた。
ドラマの最後の言葉が本当に心に残った。

動物園は平和な国にしかない。


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by ai-pittura | 2007-08-08 20:11 | | Trackback | Comments(2)
2007年 08月 07日

クロッキー2日目

真夏の動物園クロッキー。
久しぶりだこの感覚。
寒さには弱すぎるけど、灼けつく日射しにはまだまだ負けない。
汗だくでコンテを走らせる。

1日目は日記も書けないほど落ち込んだ。
動くものを描くのはものすごい久しぶり、こんなに描けないなんて。
美しさに圧倒される、目も手も何もかもが追いつかない。
2日目、今日、少しだけ見えてくる。
たくさんのことに気づきはじめる。
でもまだ手には伝わらない。
朝イチで動物園にクロッキーしに行く、シャワーを浴びて何かお腹につめこむ、
午後仕事に行く、家事をする、夕飯、引き出物をつくる、風呂、就寝・・・
しばらくこの生活だ。
これがはじまりになるかどうかはわからない。
でも何かやるしかない、考えるよりも先に動くしかない。


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by ai-pittura | 2007-08-07 23:49 | | Trackback | Comments(0)