ふりつもる線

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2006年 05月 31日

足もとの土

高島屋にNEXT展を見に行った。
三瀬夏之介さんの作品がよかった。
麻布を買い込み、太陽の下を自転車で学校まで走る。

夕方Tが家に泊まりに来た。
昨日からじゅんが準備してくれた日本料理は素敵だった。
Tが食べたことのない日本の食材(ナメコや山芋など)もあって
本当に喜んでくれた。
それを見て私もじゅんも心からうれしかった。
いろんな話や一緒にしたいことがあまりに多くて時間は飛ぶように過ぎた。

Tが見せてくれた故郷の写真は美しかった。
日本の緑は強くて好きだとTは言う。
湿気、雨の国だからだろう。
虫もイタリアよりずっと大きいそうだ。
でもTの故郷の緑は、やわらかく、うす明るく、
パッチワークのような田園の中に赤茶、焦茶の四角がぽつぽつ入っていて
それは私からしたら、ほろっとなるような美しさだった。
この前、Tは言った。
ヨーロッパの空は高く、日本の空は低い。
だからヨーロッパで人々は天に神を求め、
日本では土に神を見るのでは、と。
Tの故郷には視界を遮るものはない。
抜けるような空、とこまでも続く水平線と遠くのアペニン山脈。
Tの人柄の下にはこんな土壌があったのだ。

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幸せ晩ごはん。
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by ai-pittura | 2006-05-31 23:15 | イタリア | Trackback | Comments(2)
2006年 05月 30日

“Luce di Dio”

映画を撮っているAと昼食を共にした。
イタリア人Aが作品のテーマとしているもの、それはmorteとsogno(死と夢)だという。
興味深いテーマだ。
光についても少し話した。
かつての映画監督達は自然の光を
“Luce di Dio”(神の光)
と呼んだらしい。

私は蛍光灯の光が好きではない。
目が大切なので仕方なく電気をつけるが
青白いハロゲンよりオレンジのG球、それよりロウソクのあかりが好きだ。
お風呂はロウソクのあかりで入るのがいい。(窓は絶対開けて)
絵はなるべく空の下で描きたいと思っている。
今の描き方は火を使うし、煙やガスも出るので、
物理的に部屋の中だけでは出来ないのだが
外で描く時ほど気持ちいいことはないと思う。
おかげでどんどん日焼けする一方。
私はもともと別に色白ではないので、昔は色白の人が羨ましかった時もあったが
今は太陽の光をいっぱい受けたいと思っている。
春先から「美白」「絶対焼かない」などという言葉が飛び交う今の日本は
何かが違うと思う。

火曜日は午前午後とイタリア語の授業なのでAとゆっくり話すことが出来ず
とても残念だった。是非また次の機会に。
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by ai-pittura | 2006-05-30 23:00 | | Trackback | Comments(2)
2006年 05月 29日

制作考。

ここのところ、一日一日の中身が相当濃いという話を友達としたが、
夜になって朝のことを振り返った時、二、三日前のことのように感じる。
必要なことは時間の長さじゃない。
どんなに限られた短い時間でも一生分の重みを持つ時間を過ごせるだろうし、
例えば画家、香月泰男はシベリヤで過ごした4年間を消化するのに
一生を費やした。

今日はジャコメッティ、中野弘彦×藤慶之対談、香月泰男、モランディなどを読む。

次の作品についても考えないと・・・
たとえば、目に入ってきた瞬間そこには海があり、山がある。
その次に風が見える。
そして近づいてよく見るとそれは人だった。
そんな絵が描ければ・・・。

最近アコーディオンに興味がある。
CDでも聞くし、
前に友達が見せてくれたライブビデオの中のアコーディオンの映像が焼き付いているし、
おとついアコーディオンのライブを見たことで
点がつながって線になったので、どうしようもなく気になる。
誰か、壊れたアコーディオン持ってないでしょうか?
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by ai-pittura | 2006-05-29 23:54 | 大学院時代 | Trackback | Comments(4)
2006年 05月 28日

無数の星

昨日の藤本由起夫展の余韻がいい。
展覧会場にいた時よりもずっと心地いい感じがする。
全てのものは美しさを隠していると思う。
全てが学ぶべきヒントを持っているだろう。
目にしているようで見えていないこと、
耳を澄まさないと聞こえない声、
それらを通り過ぎないように日々を送りたい。
すべてのものはそこにあり、
どう見えるか、それはすべてこちら側の問題だ。

藤本由起夫は素敵な仕掛人だと思った!
絵画の世界にはなかなか無い作り方でもある。

今日は制作、そして研究ノート。

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by ai-pittura | 2006-05-28 20:14 | 大学院時代 | Trackback | Comments(0)
2006年 05月 27日

すべての感覚

ギャラリーマロニエに高垣リミ展を見に行く。
リミさんは彫刻家で、私の最も尊敬する師の奥様だ。
私はリミさんの人柄が大好きだが、作品にもそれが滲んでいてとてもよかった。
作品はカメレオンをモチーフにした木彫に古布や糸などを巻いたものだったが、
ユーモラスでちょっとだけ淋しくて、あたたかだった。
そして、母親としての愛情がたっぷり詰まっている作品だった。
私は、一見タツノオトシゴにも見える、
カメレオンのトルソーのような作品に一番惹かれた。
それは海の果てから持ってきたような、
どこかで見たことがあるのに思い出せないような、
懐かしさと切なさを感じる作品だった。

その後、阪急で夙川へ。藤本由起夫×西宮市大谷記念美術館、“美術館の遠足展”へ。
これは1日だけの展覧会で、この試みは10年間続けられてきた。
今日は10回目、最後の展覧会だった。
私は以前にもこの展覧会を見に行ったことがあったが
初めて行った人にとっては不可解な展覧会だったかもしれない。
作品の数はほとんどなかった。
でもそこにはたくさんのものが満ちていた。
私達はひとつひとつの部屋を確かめるように、
普段なら見過ごしてしまいそうなものも
決して見落とさないように、耳を澄ませ、
感じようとした。
モデルハウスを見るように美術館のひとつひとつの部屋を確かめた。
庭の木々や草や空を。
そしてその時、たくさんのことばで会場が埋まっていることに気づき始める。
気持ちいい体験だったと思う。

絵とはまったく違うジャンルだから面白かった!!!
絵以外の展覧会をたくさん見よう。
それは全部絵につながる。

夜、京都に帰ってきてA君、イタリア人T、S、E、IとSESAMOへ。
今日はアコーディオンのライブだった。

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この夜もひとつの忘れられない夜。
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by ai-pittura | 2006-05-27 23:54 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)
2006年 05月 25日

糸をたぐる日

今日、大学院の研究(修論)中間発表の準備をやっと始めた。
麻生三郎、有元利夫、鴨居玲、ジャコメッティの本を拾い読み。
やはり、自分が描こうとするものと絵を取りまくもの(素材であったり、モチーフであったり、
土地であったり)との間に横たわる空間を埋めていく必然性を強く感じる。
描きたいものに確かな輪郭などない。
でも中心点を外さない重い基盤は絶対必要だ。
中間発表の準備、予想以上に時間がかかりそうで大変だ。

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夕方Eの家で食べたイタリア人Pのパスタ。
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by ai-pittura | 2006-05-25 23:58 | 大学院時代 | Trackback | Comments(0)
2006年 05月 24日

風景

今日は午後S先生の合評だった。
後輩が何人か見学に来て、今日の合評はじゅんも参加。
主役はじゅんでした。
最終的な窯出しが終わって、完成した最近の作品を見たのは
今日が初めてだったけど、正直驚いた。
いいイロが出ていた!!!
思わず笑顔になるぐらい可能性を孕んだイロだった。カタチもよかった。
ずっと手探りで苦労していたじゅんを見てきただけに、
私は自分のことのようにうれしかった。

合評の後、S先生御用達の材木屋さんに連れて行ってもらい、
桜の板を3枚購入。

今日、学校の裏山に登った。太陽が落ちていって町に灯がともりはじめるのを
ずっと見ていた。
風が強くて寒かった。

時間をかけてゆっくり考えていくこと。
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by ai-pittura | 2006-05-24 23:23 | 大学院時代 | Trackback | Comments(2)
2006年 05月 23日

Ci vuole un fiore

イタリア語講座の後、学校に戻って来たらTが
イタリアの子供のための歌”Ci vuole un fiore”という歌を教えてくれた。
とっても素敵な歌だったから是非少し紹介したい!!!


Le cose di ogni giorno raccontano segreti
a chi le sa guardare ed ascoltare...
(毎日ものごとをよく見つめ、よく耳を澄ませている人には秘密が語られる)
Per fare un tavolo ci vuole il legno,
(テーブルをつくるためには木材が必要)
per fare il legno ci vuole l'albero,
(木材をつくるためには木が必要)
per fare l'albero ci vuole il seme,
(木をつくるためには種が必要)
per fare il seme ci vuole il frutto,
(種をつくるためには実が必要)
per fare il frutto ci vuole un fiore,
(実をつくるためには花が必要)
per fare un tavolo ci vuole un fiore.
(テーブルをつくるためには花が必要)
        ・
        ・
        ・
と2番にも続いていくのだが、
シンプルだけどこの歌には全てがあると思う。
本当にきれい!

ところで私の翻訳はちょっと自信がないのですが最初の2行の訳って
これで大丈夫でしょうか?
イタリア語が堪能な方、助けていただけるととてもうれしいです。

夜、BAR ROSSOにイタリア人S、EとA君が来てくれた。
やわらかい風と、少しずつ暮れていく空を背に
S、E、Aはカルピスで(今度お酒付き合ってね)、私は自家製梅酒で
気持ちのいい夕方を過ごせた。
ちなみにBAR ROSSOは私のアトリエ前、
日焼けして白くなった(元)赤いソファのことで
気持ちいい時間を過ごしたい人、飲みたい人、何か話したい人・・・
がいる限り、いつでもすぐに営業します。
ちなみに今のドリンクメニューは
自家製梅酒、ウィスキー、カルピス、紅茶(HOT)、カプチーノetc
種類は今後もっと増やします。
ボトル持ち込み大歓迎。
お近くの方は是非お越し下さい。
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by ai-pittura | 2006-05-23 23:29 | イタリア | Trackback | Comments(4)
2006年 05月 21日

感謝の気持ち

展覧会最終日。
搬出を終えて家に帰って来た。
展覧会は終わってみるとあっという間だったけど、
毎日多くの人と話せて本当に楽しかった。
来てくださった皆様、それから遠くで応援してくれている人たちにも
心からお礼が言いたいです。
ありがとうございました。
いい経験ができた!!!

今日はLが学校に遊びに来て、
イタリア語への翻訳を手伝ってくれた。
いい天気で気持ちがよかった。
展覧会で受け取ったものも、今のこの環境も
ちゃんと絵に変えていける力をつけないと!!!
明日のこともこの先のことも本当はいっぱい可能性があると思う。
好きなことも、しないといけないことも、
出来る力の120%で頑張っていこう!!!!

今日はじゅんが窯作りから帰ってくる。おかえり。お疲れ様。

展覧会風景。b0080173_0423838.jpgb0080173_0425825.jpgb0080173_0431337.jpg
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by ai-pittura | 2006-05-21 20:07 | 展覧会 | Trackback | Comments(8)
2006年 05月 20日

イタリアそして日本

制作の後Tとインド料理を食べに行って、ギャラリーなかむらで木村先生の個展を見た後、
大絵巻展へ。
博物館に着いたのは3時、外で1時間待ち、源氏物語絵巻を見るためには中で1時間待ち、
結局会場を出たのは閉館後の6時半だった。
待ち時間も入れてだけど、こんなに長い時間をかけて展覧会を見たのは初めてだった。
鳥獣人物戯画と信貴山縁起、地獄草紙が素晴らしかった。
鳥獣戯画は以前模写したことがある分、感動もひとしおだったし、
前からみたいと思っていた地獄草紙を見られたのはかなりうれしかった。
Tはイタリアで日本の美術史も勉強しているのだが、
絵巻についても相当詳しく、時々Tに説明してもらいながら見ることが出来た。
最近、ずっとイタリア人に囲まれる中で、
今まで、普段の生活の中では気付くことができなかった日本の良さを教えてもらい、
はっとすることがある。
Tの中には私よりも静かに本来の日本がある。
それは新しさでも古さでもなく、
どんな時代であっても、エッセンスを
自分の中に自然と取り込んで行けるTの豊かさなんだと思った。
本当に本当に本当に素敵な友達です。

夜みんなでお好み焼きを食べに行った。
14人で店内はいっぱいで、貸し切り状態だった!!!
みんなが帰るまで一ヶ月を切ってしまった。
あと何回みんなでごはんを食べたりできるだろう。
そんなこと考えても仕方ないとわかっていながら
淋しさが込み上げそうになってはおしこめる。
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by ai-pittura | 2006-05-20 23:51 | イタリア | Trackback | Comments(0)