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カテゴリ:春子おばあちゃん( 15 )


2015年 11月 19日

おばあちゃんの視座

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久しぶりに春子おばあちゃんのこと。

ブログを読んでくださっている方が時々、
春子おばあちゃんはお元気?と聞いてくださることがあり、とっても嬉しい思い。
ありがとうございます!
春子おばあちゃんは現在101歳。

ここ2〜3年は少し調子を崩して描けなかった時期や気持ちの乗らなかった時期もあったものの
最近はまた意欲がもりもり湧いているおばあちゃん。
先日、石井壬子夫が晩年繰り返し描いた自画像のデッサン集を持っていくと、
ああー!、はあー!とおおきな声をあげて喜んでくれる。

ああ!センセイ、私は何も見えていなかったような気がします。
表面的なところじゃなくて、もっとこう・・・!
ああ、ごめんなさい。怠けてばかりいました。
もっと顔を練習しないと。
ああ、それにしてもすごいのですねえ。

画集に顔を近づけたり離したりしながら、おばあちゃんはゆっくりと叫び、
そのあとはため息をつきながら、もっと、もっとと呟いた。

絵に終わりがないことは、時にこんなにも人を勇気づける。

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by ai-pittura | 2015-11-19 21:17 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(2)
2012年 05月 31日

スケッチブックのふたり

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春子おばあちゃんのことを最近書いていなかったけれど、
すこしも変わることなく絵に向かっている。
おばあちゃんは98歳になった。
一枚の紙に人物をふたり描く、その試みをもう一年以上はつづけていると思う。
気分転換に違うものを描いてみる?と聞いても、
飽くことなくふたりを描き続けている。
あるときは姉と妹を、夫と妻を、恋人を、友達を。
でもつけられているタイトルは時にとても不思議だ。
歌を詠んでいたおばあちゃんらしく、詩的でひろがりのある言葉が添えられている。

ふたり
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by ai-pittura | 2012-05-31 22:24 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(6)
2011年 05月 27日

おばあちゃんの試行

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春子おばあちゃんの水彩。
デッサンをはじめてから試行を重ね、いつのまにか画帳も7冊目くらいになっただろうか。
大好きなモディリアーニを模写することも多く、それでもやはりおばあちゃんらしい絵になるなあと思う。
色をつける前にいつも、そうねえ、顔はオレンジがいいかしら、服はグリーンね、といろいろ考えている。
冬はすこし元気がない日がつづいたが、最近おばあちゃんはとても調子がいい。
目をつぶっても、絵のことを考えはじめたら眠れないらしい。
ギネスブックにのるくらい長生きしたいの、と。
日々変化しつづける97歳。

きょうこそ真実に一歩近づくことができるだろう

試みること それがすべてだ

家への帰り路、白い霞のベールを纏う圧倒的な山々を横目に私は
ジャコメッティが遺したいくつかのことばを断片的に思い出していた。
未知のこと、それは底に埋もれた既知のことを掘り探っていくことでもあって。
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by ai-pittura | 2011-05-27 21:22 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(4)
2011年 02月 20日

比叡山を隔てて

b0080173_17415597.jpgすこしお休み期間を経て、車でひとやま越えて春子おばあちゃんに会いに行っている。
眠っている時間が長くなってきて、
1月は腰の痛みに苦しんでいたおばあちゃんだったけれど、
絵を描くことがやっぱりひとつの大事なことになっているよう。
写真の絵は最近おばあちゃんが
いままで描いたもののなかで一番好きだわと
満足して筆をおいた絵。
今年も展覧会したいわとおばあちゃん。

私も新しいアトリエで絵を描きはじめた。
土間が三帖、畳が三帖。
正面に窓があって光が注ぐアトリエだ。
窓をあけたら樹々と空、時々上空を旋回する鷹がみえるから
寒いけれどほとんど窓をあけている。
とてもしずかで
ここでは波立つ心が曝される。
じっくり描こうと思う。
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by ai-pittura | 2011-02-20 18:18 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(6)
2010年 10月 18日

春子おばあちゃんの木

b0080173_21323472.jpgひさしぶりの春子おばあちゃんのこと。
個展が終わってから春子おばあちゃんは水彩に取り組みはじめた。
色鉛筆やパステルだと力がいるけれど、筆ならすいすい塗ることができる。
はじめた頃は、つけた絵具を一回洗ってからまた違う色をつけることや
筆がふくんでいる水の量や色の濃さの感覚をつかめず
やっぱりまだ私にはとてもむりだわ、と苦労していたおばあちゃん。
最近、すこしずつ絵具をつけることにも慣れはじめて、
パレットの上で絵具をまぜている時に、
「ああーほんとうにいい色だわねえ。」
と顔が華やぐおばあちゃんは少女のようで。
今日お家に行ったときには、
「あい先生、あの木って葉っぱがたくさんあるように見えて描いてましたけど
まんなかにしっかりと幹があってそこから小さな枝がでて葉がついていることを
発見したんです。それを見つけた時本当にうれしくって。お伝えしたくって!」
とリビングに置いてある幸福の木を描いた絵を見せてくれ、
何度も幹の部分をなぞるおばあちゃんに
私はとても胸が熱くなった。
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by ai-pittura | 2010-10-18 21:51 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(6)
2010年 05月 30日

足音

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先ほど春子おばあちゃんの個展をつつがなく終えることができました。
ブログを見て来て下さった方やいろんな方に見ていただけたことは
本当にありがたく、うれしかったです。
ブログにて宣伝してくださった加藤わこさんをはじめ、
皆様ありがとうございました。
明日からもおばあちゃんは少しずつ絵を描いていきます。
またお披露目できる機会がありますように。
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by ai-pittura | 2010-05-30 18:46 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(4)
2010年 05月 24日

”百年の足音”明日から!

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午前中は大雨、今日はprinzにて春子おばあちゃんの個展、”百年の足音”の搬入をしてきた。
全部で58点のドローイングたち。
一年と四ヶ月分のおばあちゃんの軌跡がみえる、本当によい展示ができた。
体調がわるくてしんどい日、眼の焦点があわず苛立つ日、どうにもこうにもわからなくなり描けない日、
ふっとすらすら描けた日、色をつかう楽しさに目覚めた日、顔をはじめて描いた日、
見るということについておばあちゃんが気づいたことをたくさん話してくれた日、
モディリアーニやラファエロが大好きで模写した日々、
並んだ作品を前にいろんなことを思い出す。
おばあちゃん、絵がたまっていったら春に展覧会をしよう。
そう投げかけていつしか展覧会がおばあちゃんの夢になったけれども
年齢やリュウマチ、薬の副作用のなかで果たしてそれが実現可能なのかは未知数だった。
最後のほうは調子が悪く、家族の皆も心配していたなか、とうとう春子おばあちゃんはやり遂げた。
おばあちゃんの忍耐強さと静かな歩みに、心から大きな拍手を贈ります。

ギャラリーは造形大近く、お庭はバラが満開です。どうぞご高覧下さい!

展示風景
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by ai-pittura | 2010-05-24 20:53 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(8)
2009年 12月 24日

なつかしさ

b0080173_2147957.jpg春子おばあちゃんの個展の段取りが決まった。
個展は来年の5月末、ギャラリーはバラのお庭があるところだ。
5月はまさにバラが咲いている頃かもしれない。
この前おばあちゃんのスケッチブックを繰っていたら
おばあちゃんの文章に出会った。

ーモジリアニの絵をみてゐましたら
 不意にだれかに会いたくなりました、

それを読んだ時、さあっと目が覚めるような思いがした。
そう、そうなんだと思った。
いいものに触れた時のなつかしさ、
それは確かに自分が知っている、自分の中にあるものなのだ。
何か言いあらわすことができない。でもそれは
たしかに私がきたところであり、同時に私がゆくところでもある。
そのなつかしさをおばあちゃんは何てすらりと言ったのだろう。
ありがとう、春子おばあちゃん。
(写真、おばあちゃんの描いた10月の人物)
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by ai-pittura | 2009-12-24 22:00 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(8)
2009年 11月 05日

不退転

b0080173_15591444.jpg春子おばあちゃんのこと。
この前、おばあちゃんは線をひくことができなかった。
それははじめてのことだった。体調や眼の調子が原因ではなかった。
なんとか描こうとしても顔はばらばらになった。
どうしてだかわからない、
胸がつかえてどうしても絵を描くところに気持ちがおりてこない
と言ったおばあちゃんの思いつめた顔。
それは本当に素直なことだと私は感じた。
もし違う取り組み方をしていたら絵はできてしまっただろう。
紙の上にただ鉛筆を走らせることができてしまえば。
おばあちゃんはそれができなかった。
その日は、絵を描く手は休めましょうと言った。
そしておばあちゃんの見たいものを聞いた。
絵を通して何をしたいのかゆっくりと話をした。
最後におばあちゃんは、これは年のせいなんてことじゃない、
私の問題です、もっとちゃんとものを見たいと言っていた。

写真はおばあちゃんの以前のスケッチ。眼の練習。いつもこうして何度でも描いている。
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by ai-pittura | 2009-11-05 16:32 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(4)
2009年 10月 12日

秋風

b0080173_2118158.jpg夏がはじまった頃から、春子おばあちゃんは正面像だけでなく、
横顔や様々な表情を描こうと挑戦している。
そこでしていることが模写。
模写もまた終着点がはっきりしている分、とても正直。
描けない細かい部分にだけ集中していると全体が崩れる。
手元のことに入り込んでいくことと、
それを忘れて引くこととの二つのバランス。
おばあちゃんは展覧会の実現に向けて燃えている。
私は今日から100号の制作に入った。
ベランダの制作、3か月ぶりだ。久しぶり。
夕陽に染まった秋の雲がパネルの向こうを流れてゆく。
そうこの感じ。
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by ai-pittura | 2009-10-12 21:55 | 春子おばあちゃん | Trackback | Comments(2)