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カテゴリ:京都( 28 )


2014年 07月 01日

スクーリングの日々

6月は本当に忙しかった。
造形大通信教育部のスクーリング授業もはじまり、バタバタの日々でした。
スクーリングには20代から80代!の方々が全国各地から来られるのですが、
遠方の方は大きな鞄に画材一式を詰め、ホテルに泊まり、
朝9時から夜18時まで授業(その後さらに残って20時まで描く人も。)というハードスケジュール。
ほんとうに皆さんよく頑張られました。

絵を教えるということ、何年経っても”教える”ということばが私にはしっくりこないままですが、
教えるのではなく一緒に考える、それぞれがそれぞれの問いに向かっていけるような体制を作れるような
教員であれたらと思っています。
特に、技術ということに関して、技術は答えではなく、ひとつに収束していくことでもなく
それぞれの表現に応じてあるべきものではないかと。
こうでなければならないということは何もなく、
正しい方法もなく、うまい画がいい画という訳でもないはずです。
ままならない時だからこそできることがあって、
失敗するから身につくのだと。
ものを見ようとすること。
目を疑い、信じること。

学生さんたちに言っていることばは全部自分自身に言っていることばでもありました。
それぞれの絵がこれからどんな風になっていくのか・・・
また8月のスクーリングで会いましょう!
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by ai-pittura | 2014-07-01 22:49 | 京都 | Trackback | Comments(2)
2009年 10月 21日

樽酒

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十年来の友二人と赤垣屋で飲む。
料理が美味しく、大将や店の人たちのなんて気配り上手で気持ちのいいこと。
ひとくち飲んだ瞬間に広がる杉の香り、樽酒ってあんなにおいしいものなんだと。
十年前の私たち、それぞれの状況、そしてそれぞれの今、
互いの変遷も変わらぬものも三者三様そこにあって
過去から今に向かって流れる川の中にいる自分をもう一度追体験するような感覚にふとなる。
人に話す言葉はとても難しい。
言葉上で話すことはできるかもしれない。
本当にお互いの実感をもって話せるところの言葉や言葉じゃないものを見てゆくことの難しさ。
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by ai-pittura | 2009-10-21 11:21 | 京都 | Trackback | Comments(4)
2009年 07月 24日

狐山

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個展後はバタバタとイタリア行きの準備をしながら、今日は、日本に遊びにきたティミの家族と一緒に伏見稲荷へ。
ティミの家族はボローニャでお世話になってから会うのは3年ぶり。全然変わらない。
はじめて行った伏見稲荷。
こんなに妖しく、はりつめたところとは知らなかった。
有名な千本鳥居を通り抜けると、そのあと境内は奥の稲荷山へとずっと続いている。
低く重なる朱塗りの鳥居は冥府につづくトンネルのようで思わず声をころす。
行き交う人は誰もいない。
杉木立の中の階段をのぼり、沼の横を通り、
稲荷山のてっぺん一ノ峯までたどりついた時には膝が笑いはじめている。
時折吹き抜ける山の涼しい風と雨のように降る透明な蝉の声を杖代わりに
ようやく下まで降りてきた時、揺らめいていた空気がふっと変わった。

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明日は藤井さんとこで髪をばっさり切る。そしていよいよイタリアに行ってきます!
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by ai-pittura | 2009-07-24 21:49 | 京都 | Trackback | Comments(6)
2009年 04月 11日

散桜

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ベランダに飛んできたたくさんの花びらに誘われて、裏の疎水へ行く。
桜は水がよく似合う。

散る桜 のこる桜も散る桜             良寛

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by ai-pittura | 2009-04-11 17:33 | 京都 | Trackback | Comments(6)
2009年 03月 17日

散歩道

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これからしばらくの間、銀閣寺哲学の道に続く疎水端が最も彩り豊かな時期。
桜の蕾はまだ少しかたいけれど
オオイヌノフグリ、ムスカリ、ハコベ、タンポポ、ホトケノザ、、
まだまだ名も知らぬたくさんの草花たちが、春に向かってうんうん小さな手を伸ばすように
蕾をひらきはじめる。
近くに寄ってみているとあちこちでおしゃべりや笑い声がさざめいているようで思わず目を凝らす。
そんな訳でこの季節の散歩時間は倍以上長くなる。

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花らの向こうにキラキラ光る水の流れを見ていると、田んぼの水路が恋しくなる。
♬ は〜るのおがわ〜は〜
あの歌はおたまじゃくしやメダカなんか穫りながら、田んぼわきで生まれたんだろうなあ。
春の、たぷたぷと水を張った田の風景を思い浮かべると、何かが解きほぐされていくような気がする。

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by ai-pittura | 2009-03-17 13:16 | 京都 | Trackback | Comments(6)
2008年 12月 04日

紅葉

b0080173_21295449.jpg比叡山に連なる山々がぽこぽこ赤く染まっていて美しい!
京都にお越しの皆さん、ライトアップされた名勝史跡をめぐるのもいいけど
立ち止まって遠くの山を見てください。

河原町通沿いのイチョウ並木が眼を疑うほど黄色く燃えている。
陽に透けた明るい黄色の階調、
そしてところどころから覘くごつごつした黒茶色の木肌。
車窓を通りすぎるイチョウにふと、
日溜まりと焼け焦げたような匂いを感じた。
バスに揺られながら、なぜ焦げた匂いなんだろうとひとしきり考え、
はたと気づく。
そうか、いちょうは焼き芋に似ている。
その瞬間金色の甘さがぶわっと口に広がった。
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by ai-pittura | 2008-12-04 21:36 | 京都 | Trackback | Comments(2)
2008年 10月 22日

京都の冬

お昼はまだあったかいけど京都の朝夕はもうずいぶん寒くなった。
畳と畳の間に手をかざすとひゅーっと吹き上がるすきま風に、
あぁまたこの季節がやってきたとうんざりする。
寒がりの私には京都の冬が本当につらい。
寒い時の楽しみといったら正月の麻雀とおでんと鍋と熱燗ぐらいしかない。
あとは猫のように布団にくるまってじっと読書でもするか。
制作する時は、あったかいタイツをはいて、カイロを貼ってドカジャンを着る。
そして10分おきにゼリー状になっていく膠と格闘しなければならないのだ。
考えただけで億劫だ。
夏はどんなに暑くても闘志が湧いてくるのに、冬は戦意喪失してしまう。
それでも、しんしんと降る京都の雪だけは好きだ。
磨硝子に仄白くうつるあかるさとすべての音を吸いとったような静かさが好きだ。
太陽や雨は外側から影響を与えるが、雪は違う。
皮膚をすっとすりぬけて内側に入り、体のなかにも雪を降らせる。
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by ai-pittura | 2008-10-22 23:28 | 京都 | Trackback | Comments(2)
2008年 08月 18日

高台寺

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送り火で母が京都に来たので、次の日に高台寺の特別公開、百鬼夜行を見に行くことにした。
久しぶりに祇園の方に出て高台寺まで歩く。
この辺りは寺も多い。観光化もされてるけど古い京の町並がだいぶ残っていてすごくいい。
直線の格子、犬矢来なんかもそれぞれ微妙に違っていて京の意匠を感じる。
花見小路のお茶屋や料亭の暖簾はいつ見ても古びず、粋だ。
黒地に白の二つ巴は家紋だろうか。
うだるような暑さを斜めに斬るような潔さがあって心がしゃんとする。
百鬼夜行は期待はずれで土佐光信と暁斎はよかったけれど少ししか出ておらず、
あとのものは全くピンと来なかった。
その代わりに思いもかけぬ名品をみることが出来て感無量だった。
長谷川等伯障壁画「四季山水図」(旧三玄院襖絵とも呼ばれているよう)、そして応挙「幽霊図」。
等伯のこの襖絵は普通そのうえに絵は描かないという、一面桐紋の襖の上に描かれている。
余白をかなり取った点景とその前に降る雪のような桐紋、
「夏の画」「冬の画」など季節を描いたものや無季のものをあわせ全部で36面あるらしい。
松林図に次ぐ見事な絵だと思った。
応挙の幽霊図も暁斎の集中力には負けるが、いいものだった。


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by ai-pittura | 2008-08-18 21:45 | 京都 | Trackback | Comments(2)
2008年 08月 17日

大文字の送り火

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昨日8月16日、京都は五山の送り火。
我が家のベランダから大文字の送り火を見に、
長野からゆり夫婦、大阪からマミコさん、母、イタリアからティミーが来京。
みんな京都に住んでないのに、また去年と同じメンバーで集まってくれたのは嬉しかった。
天気があやしく、一時はどうなるかなと思ったけれど予定通り20:00点火。
あっという間に浮かびあがる大の字。
直前にあがった雨が空気をあらったせいか、去年よりもあかあかと燃える松明に見入る。
あれから一年、今年は皆でじいじいを送る。
時間の流れということばでは収めたくない、
すべてをのみこみ押し流す巨大ななにかと、その隙間にある静けさが体を吹き抜けた。
あとは、最高においしい「おおにし」の肉、旬の京野菜、シャンパン、ビール、ワイン、
みんなが持ってきてくれたたくさんのお土産、死ぬほど食べて、飲んで、しゃべる。

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by ai-pittura | 2008-08-17 19:04 | 京都 | Trackback | Comments(8)
2008年 04月 17日

地震

夜、午前0時58分ごろ、調べものをしていたら一瞬空気がかたまり、縦揺れした。
兵庫県明石市などで震度4の地震とのこと。ドキっとして嫌な胸騒ぎがした。
京都で感じた揺れは小さいものだっただろうが、
阪神淡路大震災を体験した私たちの身体には、もう否応なくあの恐怖がしみついていて
たった少しの揺れにも敏感になる。
これはただの兆候で、この後もっと大きいのがくるのではないだろうかなどと
不安が首をもたげ、黒い鉛が胸のあたりを覆う。
私は当時14歳、大阪にいて家も無事だったが、家が全壊した友人や死を目の当たりにした。
あまりに圧倒的だった地震がのみこんでいった多くの人の未来。
昨夜の地震は私以上の思いを大震災の被災地に与えただろう。
あの時、私が今の年齢、今の状況だったら、その後も絵を描き続けることができたのだろうか。
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by ai-pittura | 2008-04-17 10:19 | 京都 | Trackback | Comments(4)