仕事に行く前、アトリエの絵をちらり見て驚嘆した。
とにかく良くない。最悪だ。
おととい長時間夢中で描いたのはいいが、私がしていたことは
盲目的に絵具をのせていただけなのか。
自分の眼は自分で一番信じられないもののひとつ。
夜と朝は到底同じとは思えないし
おととい見ていたものと今日見えるものがまるで違う。
それは布団の中で考える悩み事にちょっと似ている。
横になって暗闇の中で考えていると、どんどんかなしくなり
物事に喰われることがある。
でも一晩寝たら何のことはない、はねのける力だって出てきて
あんなに泣いたことが嘘のようになったりして。
それにちょっと似ている。
中心をつかまえなくちゃいけない。
「見える」ことになんか頼っちゃいけない。