2015年8月9日 長崎に着いた。
その場に立つ。
土地が語りかけてくるものは、どんな映像より切実に胸を衝き 呆然とする。
あれから70年。
肌がチリチリと痛く、歩く度にぐらりと視界が揺れるような、暑い暑い一日だった。
舟越保武さんの二十六聖人像が立つ、西坂の丘へ。
長崎駅からほど近い場所ながら、
急な坂道を上がりきるとふっと空気が変わり、時がゆるやかに流れはじめる。
舟越さんが無我夢中で、4年の歳月をかけて打ち込んだ26人の殉教者像。
そこには無窮のしずけさが宿っているようだった。
舟越さんは二十六聖人が殉教した日と同じ2月5日に亡くなった。