このところ来客続きで、それぞれに生きている友人たちと
話すのは楽しく、濃密な時間だった。
この日は初秋に世界一周旅より帰国した
川上君が
たくさんの写真を持って泊まりに来てくれ、
数々の冒険談を聞くうちに夜が更けていった。
ジュンの後輩で陶芸を専攻していた彼は、
数ヶ月レタス農家に住み込んでお金を貯め、
船で中国へ渡り、そこから一年かけて世界を歩いた。
ホステル自炊の貧乏旅で、時に騙され、
熱を出して寝込み、二カ国の歯医者の世話になり、
人と風景に救われ、たくさんの動物達と一瞬を分けあった。
最後は単身カヌーで8日間ユーコンを下るという大冒険まで。
聞いていて特に興味深かったのはパタゴニアとアラスカだ。
彼の話を聞いているうちに、身体の芯がざわざわとして
胸に旅の火がついてしまった。
世界は広大で、しかし同時に驚くほど狭いのかもしれない。
彼の写真には古今東西変わらぬ人の感動や営みがあった。
川上君ありがとう!世界はやっぱり美しいのだなあ。