北八ヶ岳の一帯に広がる八千穂高原の一角には約200ヘクタールに及ぶ東洋一の白樺林がある。
頭上高く聳える樹々の上から、山鳥たちの透明なさえずりと蝉時雨が降り注ぐ。
八千穂高原自然園にて
夏緑樹林帯の、つまさきから頭のてっぺんに向かって吹き抜けるような心地よさって一体なんなのだろう。
身体のなかのひとつひとつの細胞が一気に芽吹いていくような生命感。
照葉樹林や針葉樹林だとこんな風に感じることはない。
心を鎮めるような照葉樹、そして張りつめた緊張感のある針葉樹。
夏緑樹には命を支える豊かな恵みがある。