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ふりつもる線

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2010年 02月 22日

雲下の素描

雲下の素描_b0080173_858578.jpg日本画新展に出していた『雲下の素描(写真は部分)』の
題意を尋ねられることが多かった。

雲下の素描は、自分がこうあり続けたいと思う姿勢のこと。
外で絵を描いているときもそう。
けし粒のような自分の存在、心地よい孤独感、無力感に支えられて
私たちは生きていることを。
それは常に感じ続けられるものではないけれども。

素描、ただそこにあるものを見ようとすること。
表出はしていない、しかし確かにいつもあるということだけはわかる、
そこに向かう手探りの行為。
つまり自分のルーツを辿ってゆくということ。
私は時折、生まれながら帰ろうとしていることを感じる。
降りながらひき上げようとすること。
積もる力を借りて剥がしていくこと。
対極にあるのではなく円を描いている作用と反作用の間で。
テーマやコンセプトを私はもう求めないかもしれない。
それは今の自分には付加的なものに感じる。
一番シンプルなことだけを真ん中におこうと努めたい。
離れ、見失ってゆかぬよう。



 

by ai-pittura | 2010-02-22 09:49 |


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