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2009年 11月 18日
本棚のサフランが昨日いっせいに花ひらいた。そこだけが光をうけたようにあかるくて澄んでいる。 少し前、球根をもうすこし低い棚に置いていた。 芽(茎)はニョキニョキ成長していたのに上の棚まで空きが5cmくらいに なったところで成長がぱたりと止まった。 あわててもう少し背の高い棚に移動させるとまた伸び始めた。 サフランは頭上の距離を知っていた。 それを見ていると、あちこちに頭をぶつけながら せめてもがくことぐらいしかできない自分が滑稽に思えたりもする。 人間は、多くのものを持ちすぎて生まれたばかりに それに足をからませ、つまづきながら生きて なんとか少しずつでも剥ぎ取っていこうともがいているうちに生を終える そんな生きものかもしれない。 答えのでないことをずっと考えている。 そのことが大事なことと思っている。 薄紫の花のむこうのぽっかりとした広がりを見ていると 少し勇気がわいてくる。 それでも花と人の根底は同じ。 2009年 11月 15日
京都造形芸術大学日本画研究室選抜 新人作家展 vol.6 画心展 会期:東京展11月30日(月)〜12月5日(土)11:00〜19:00 (最終日17:00まで)その後京都に巡回 無休・入場無料 会場:アートスペース羅針盤 会期:京都展12月8日(火)〜12月13日(日)11:00〜18:00 (最終日17:00まで) 無休・入場無料 会場:むろまちアートコート 地下鉄四条駅すぐ四条室町鶏鉾町、池坊短期大学横 075-351-8585 お問い合わせ先:京都造形芸術大学日本画研究室 075-791-9122 日本画コースのコンクールで選抜された学生の作品+卒業生招待作家6名による展覧会です。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ![]() 年 末 特 別 企 画 展 『 I t ' s a s m a l l w o r l d 』 - 平面 / 立体など、0号サイズを基本とした小作品 - 人種や宗教、政治によって分断される世界。 2009年も終わろうとする中、改めて美術に何が出来るかを問う意欲的な企画展。 neutron kyotoのギャラリーアシスタント、桑原暢子のキュレーションで贈る 「小さな小さな世界」に広がる大きなイメージ。 初登場の今村をはじめ、平面・立体を問わず0号サイズ(およそ18センチ四方)を 基本とした小品を揃え、ギャラリーの中に小宇宙が広がる様は冬の星座の様に美しく輝くだろう。 クリスマスにもぴったりの作品は全てお買い上げ頂く事が出来ます。 大切なあの人へ贈りたい、珠玉の数々・・・☆(neurtonホームページより抜粋) *画像イメージはそれぞれの作家の作品ですが実際の出品作品とは異なります。 会期:12月8日(火)〜12月30日(水)11:00〜23:00 月曜定休 出展作家: (順不同)今村遼佑、瓜生祐子、小倉正志、忠田愛、 寺島みどり、中比良真子、冬耳、三尾あすか 会場:ニュートロン京都 こちらは額を含め約0号サイズという小さな小さな展覧会で、私はミニの版画含め6点前後出品予定です。 *12月17日(木)はneutronカフェスペースにて19時〜22時まで大忘年会が開催されます。 当日はスペシャルゲスト「高鈴」さんによるライブ¥3.000-(フリードリンク、軽食付き)もあります。 2009年 11月 13日
アメイジング・ツリー/長田弘 大きな樹があった。樹は、 雨の子どもだ。父は日光だった。 樹は、葉をつけ、花をつけ、実をつけた。 樹上には空が、樹下には静かな影があった。 樹は、話すことができた。話せるのは 沈黙のことばだ。そのことばは、 太い幹と、春秋でできていて、 無数の小枝と、星霜でできていた。 樹はどこへもゆかない。どんな時代も そこにいる。そこに樹があれば、そこに 水があり、笑い声と、あたたかな闇がある。 突風が走ってきて、去っていった。 綿雲がちかづいてきて、去っていった。 夕日が樹に、矢のように突き刺さった。 鳥たちがかえってくると、夜が深くなった。 そして朝、一日が永遠のようにはじまるのだ。 象と水牛がやってきて、去っていった。 悲しい人たちがやってきて、去っていった。 この世で、人はほんの短い時間を、 土の上で過ごすだけにすぎない。 仕事をして、愛して、眠って、 ひょいと、ある日、姿を消すのだ。 人は、おおきな樹のなかに。 大好きな詩。 11月10日、父方の祖母、きくよおばあちゃんがこの世を去った。 100歳まで生きてくれての大往生だった。 一世紀、本当におつかれさまでした。 とてもやさしい人。 笑顔がかわいくて、卓球が好きで、野球観戦が大好きで、 年をとっても麻雀の役や点数計算は忘れずにちゃっと牌を積んでしゃきしゃき打つ。 おばあちゃんと卓球勝負したことなかったけど 好きなものは見事に受け継いでるなあ。 2009年 11月 09日
![]() 湖北のガリバー旅行村にて銅版画メンバーでデイキャンプ。 朝は八ツ淵の滝へトレッキング。 少しずつ近づく滝の音にわくわくしながら紅葉の始まった山道を歩く気持ちよさ。 ビロードのような背をもつ朴の葉、光に白く透けるコシアブラ、名前の由来わからぬタカノツメという木。 山は本当に知らないことだらけで、ただそこを歩いているだけで気持ちがすうっとする。 ![]() ![]() 八つの滝のうち二つ目までで時間切れだったけど、今度は夏にシャワークライミングしたいな。 沢渡りでは苔でつるつるの岩で滑ってお決まりの川ポチャも嬉しかった。 滝壺近くの水はもう痛いほど冷たくて、本当にきれいだった。 山はいいなあ。久しぶりでとてもドキドキした。 ![]() ![]() ![]() お昼はバーベキュー。 藤井さん、みゆみゆ、誕生日おめでとう! 友人実家の畑野菜と差し入れしていただいた近江牛、特製鮭のちゃんちゃん焼き、焼き芋、 朴葉焼き、手作りケーキ・・・とご馳走のオンパレード。 動けないほど食べたあとは卓球大会でくたくたになり、アスレチックでローラー滑り台とターザンもして 夜はカナメちゃん考案ボードゲーム・ビンゴレットの緊張感に久々の感覚を思い出してしまう。 久しぶりにみんなで過ごした時間、自分が考え続けていること含めいろいろなことを考えさせられる。 2009年 11月 05日
お布団に入ってすぐに眠ることができない夜は、長田弘の詩集をくりかえし読んでいる。長田さんの詩は本当に秋の夜長がよく似合う。 いままた改めて、沁みとおるように入ってくる。 長田さんの詩には言葉と言葉の間に空気がある。 ほんとに書きたいことはそこにある。 長田さん、どんな人だろうと想像している。 言葉/長田弘 悲しみを信じたことがない。 どんなときにも感情は嘘をつく。 正しさをかかげることはきらいだ。 色と匂いを信じる。いつでも 空の色が心の色だと思っている。 黒々と枝をひろげる欅の木、 夕暮れの川面の光り、 真夜中過ぎの月が、好きだ。 単純なものはたくさんの意味をもつ。 いくら短い一日だって、一分ずつ もし大切に生きれば、永遠より長いだろう。 どこにあるかわからなくても、 あるとちゃんとわかっている魂みたいに、 必要な真実は、けっして 証明できないような真実だ。 人をちがえるのは、ただ一つ 何をうつくしいと感じるか、だ。 こんにちは、と言う。ありがとう、と言う。 結局、人生で言えることはそれだけだ。 一人の言葉は何でできているか? 2009年 11月 05日
春子おばあちゃんのこと。この前、おばあちゃんは線をひくことができなかった。 それははじめてのことだった。体調や眼の調子が原因ではなかった。 なんとか描こうとしても顔はばらばらになった。 どうしてだかわからない、 胸がつかえてどうしても絵を描くところに気持ちがおりてこない と言ったおばあちゃんの思いつめた顔。 それは本当に素直なことだと私は感じた。 もし違う取り組み方をしていたら絵はできてしまっただろう。 紙の上にただ鉛筆を走らせることができてしまえば。 おばあちゃんはそれができなかった。 その日は、絵を描く手は休めましょうと言った。 そしておばあちゃんの見たいものを聞いた。 絵を通して何をしたいのかゆっくりと話をした。 最後におばあちゃんは、これは年のせいなんてことじゃない、 私の問題です、もっとちゃんとものを見たいと言っていた。 写真はおばあちゃんの以前のスケッチ。眼の練習。いつもこうして何度でも描いている。 2009年 10月 29日
ここしばらく、ゆっくりと絵を描く時間を持てていた。今週は先週に比べて陽が沈みはじめるのが15分はやくなった。 ベランダではもう17時前までしか描けないけれど、 それでも、その限られた時間の中にゆったりとした何かがあった。 ここ二日ほど、絵に向かっているなかで 何度も何度も帰りたいという感覚に包まれた。 帰りたい。帰したい。 その感覚だけがずっとあった。 どこに、何を、なぜ、それが私にはわからない。 知りたい、でも明確にわかる必要なんてないのだとも思う。 その感触だけもってゆければ。 秋の空は雲がとてもきれいだ。 2009年 10月 27日
![]() ![]() ![]() ![]() ご報告がとても遅くなってしまったのですがイタリアに行っている時、 9月4日(金)・5日(土)・6日(日)の三日間 神戸初のホテル型アートフェア『KOBE ART MARCHE 2009』 (神戸アートマルシェ2009)のニュートロンブースで 私や主人の作品も展示していただいていました。 展示風景の写真をいただいたのでアップします。 出展作家:足田メロウ、稲富淳輔、入谷葉子、 瓜生祐子、小倉正志、忠田愛 部屋番号:クラウンプラザ神戸1528号室 アートマルシェHP PHOTO by neutron 2009年 10月 26日
この前バスを待っていた時、町を歩いている人々や車、建物がその輪郭を失い 中にあるものが膨らんではみ出したり小さくなったりしていくような感覚に束の間襲われた。 それは普段からもしばしば感じることで、特に人と対している時に誰もが感じるようなことだと思う。 その人に山や炎の風景が見えたり、 あるいはくしゃくしゃに丸まった、吹き飛びそうな紙ほどに小さく感じたりすること。 日本画のなかに「骨描き」といってものの輪郭線を細い筆で追う作業があり、 大学に入った頃、何度かしてみたが私にはどうしても相容れなかった。 骨描きは、読んで字の如く本来ものの骨子を描くものであり、骨描きをすることによって ものの中心を見事に昇華している日本画家が多くいるし 一本の線にはそういう力があると思う。 ただ、今も私がそうしようと思えない大部分は上記の故で 網膜にうつるもののかたちを頼りにしながらも、そのものの揺るがないところを引き上げるには どうしたらいいだろうと日々悩む。 自分にとっての絵は「描く」というより引き上げる、立ち上げるという言葉がしっくりくるなあと最近思う。 版画で版全面に強い腐食をかけて犬が闇の中に沈みこんだ時があった。 海底から糸をたぐりながらこちらに引き上げてくるような感覚が忘れられない。 そこに銅という強い抵抗感があったから、よりはっきりした。 今それらを絵で反芻している。 人は何かに気付くことはできる。 でもそれ自体は必ずしも大きなことじゃない。 気付いてそれを実感として、ずっと休み無く考え続けること、 一瞬一瞬を積み重ねることのとてつもない難しさ。 2009年 10月 21日
![]() 十年来の友二人と赤垣屋で飲む。 料理が美味しく、大将や店の人たちのなんて気配り上手で気持ちのいいこと。 ひとくち飲んだ瞬間に広がる杉の香り、樽酒ってあんなにおいしいものなんだと。 十年前の私たち、それぞれの状況、そしてそれぞれの今、 互いの変遷も変わらぬものも三者三様そこにあって 過去から今に向かって流れる川の中にいる自分をもう一度追体験するような感覚にふとなる。 人に話す言葉はとても難しい。 言葉上で話すことはできるかもしれない。 本当にお互いの実感をもって話せるところの言葉や言葉じゃないものを見てゆくことの難しさ。 2009年 10月 19日
遠いところに見たいものがある。 でもそれは本当は目の前にあるものだ。 すぐそこに。 絵も、もうすでにそこにある。 そのことを感じるようなことがあった。 それなのに私の目は何重もの膜で覆われていて見えない。 こうしている一瞬一瞬のうちにも膜は積もっている。 そんな自分の状況を本当に引き受けることと、それでも決して諦めないこと。 そうとしか言えない。 2009年 10月 17日
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 降っては止み、降っては止みの今日の天気。 ベランダの絵と画材道具一式をあわてて取り入れては、そろそろと出し、 雨が激しくなってきては退散しの繰り返しで落ち着かない。 おてんとさまよ、でもそういうものよね。 最近ずっと考えつづけていることがある。 音楽も同じものばかり何枚か繰り返し聞いている。 南イタリアですっかり心奪われたpizzica、tarantella。 トスカーナのJさんが薦めてくれた時にはじめてそういう音楽があると知った。 タランテラ はイタリア、ナポリやプーリアの舞曲。3/8または6/8拍子のテンポの速い曲。 タランテラという名前は、タラントという町の名前に由来するという。 または同じ町の名を由来とする毒蜘蛛のタランチュラに噛まれ、 その毒を抜くために踊りつづけなければならないとする話から付けられたという説もある。〔wiki〕 直接、真ん中をつかまれるような音楽。そしてジプシー音楽のようにどこか懐かしい。 渡辺勝は古いお酒のようだ。 まだその先があるかというほどつづいてゆく。 松倉如子の歌声の中にも。 それからレクイエム。モーツアルト、フォーレがとても好きだけれど ゆうこちゃんがくれたカンプラのレクイエムをよく聞くようになった。 ずっとずっと聞き続けられるもの、永い視線に耐え続けられるもの、 それはとても遠いところにある。 イタリアの旅の記録を少しだけ更新した。----------Click 最近もの忘れのひどさが増しており、記憶が新鮮なうちに留めておきたいこともあるのだけれど。 でも忘れるならやっぱりそれまでのこと(!?)、残るものは残るんだという感じなので やっぱり更新は亀のあゆみです。 2009年 10月 12日
夏がはじまった頃から、春子おばあちゃんは正面像だけでなく、横顔や様々な表情を描こうと挑戦している。 そこでしていることが模写。 模写もまた終着点がはっきりしている分、とても正直。 描けない細かい部分にだけ集中していると全体が崩れる。 手元のことに入り込んでいくことと、 それを忘れて引くこととの二つのバランス。 おばあちゃんは展覧会の実現に向けて燃えている。 私は今日から100号の制作に入った。 ベランダの制作、3か月ぶりだ。久しぶり。 夕陽に染まった秋の雲がパネルの向こうを流れてゆく。 そうこの感じ。 2009年 10月 11日
旅はやっぱり好きだ。 思ってもみないものに出会うとことは純粋に嬉しいし、 お腹を空かし、ごはんを食べ、足が動かなくなるまで歩き、ぼろ雑巾のようになって眠りに落ちる日々は ただ生きることを鮮烈に照らす。 その中では確かにものや事が浮き彫りになるし、 自分を遠くから眺めているような状態にもなる。 でも、それは決して旅でしかできないことじゃない。 知りたいことは、見るべきことは 様々な現実が混在する日常の中に、 いつもいる自分の場所に、 そして自分の中にこそある。 心に刻みたい。 伏して、問い続けたい。 日常の中で、絵の上で。 2009年 10月 06日
![]() ![]() ![]() PHOTO by Akihito & Miyuki Fujii 私は犬の銅版画をつくった。 写真や試し刷りの経過をみると改めて驚く。 はじめの頃、筋骨逞しくオオカミのようだった犬は、 日を追うごとに痩せてゆき骨露になった。 版も限界というくらいぼろぼろになっていった。 そして、最後の最後に明確になったある一瞬は 導火線を伝う火花のように、自分の中にあるあらゆることとつながった。 不思議なことに、私はこの『犬』を毎日ぶっ通しで制作してきたにもかかわらず、 また自分のなかで節目となる作品になったにもかかわらず どんな作品だったかを具体的に思い出すことができない。 その図像や色は朧げながら浮かぶのだが、 普段、自分の作品を思い出すときのような感触をもって思い起こすことがまるでできない。 それは『犬』が完成したあとも見る時々によって様々なものをうつすからなのだろう。 私がもっと見なければならないものたちが、この中に封じ込められている気がしてならない。 私のところに来てくれた犬。 版画はさながら化石のようでもある。 昨年の秋、neutronの個展でじいじいの連作を終えてからのブログ大体一年分を読み返してみた。 そこには忘れていたこと、捨てたもの、いろんなものが散りばめられていて 気づくこともたくさんあった。 一年、点はゆるやかな線となり私を押してくれていた、その流れと自分の変化を改めて思わずにいられない。 考えて考えて考えつづける時間がまた始まっている。 これから絵の制作に入りながら、ひとりのその時間をしっかりと持ちたい。 ここからはじめてゆく。 2009年 09月 29日
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 銅版画工房カプラムマニアでの滞在制作を終え、久しぶりの帰宅。 刷り師藤井章人との、濃く、重みある日々。 版の上に乗ってくるカエル、青虫、アリンコ。 工房内を飛びかうオニヤンマ、蝉、ハチ。 電線に整列する赤トンボ。 悲しいほどの秋の風。 海原のように波打つ蕎麦の花畑、 情念のように燃えたぎる彼岸花の群生。 風にチリチリ揺れる星々。 斜めに急降下してゆく木々と落ちていきそうな空。 More 2009年 09月 11日
![]() 日本に帰ってきました。 ああ、帰ってきたんだなあ。そうか、帰ってきたのか。 うーん、まだ実感がありません。 お風呂でシャワーを出している時、蛇口のお湯の方をいつでもひねられるように持ってみたり (イタリア、特に南では熱くなったり冷たくなったり急に出が悪くなったりとっても不安定なことが多いのです。) バスを降りる時、咄嗟に「ありがとう」を「Grazie」と言ってしまったりと。 イタリア語が急に聞こえなくなったアムステルダムでは淋しさが押し寄せてどうしようもなかった。 京都はもう裸足、半袖ではいられないほど寒くて、 唐突に終わった夏と爽やかすぎる秋風の前に呆然と立ち尽くしています。 そして、そんなことも言ってられないほどたまっている用事やら、 タイトになったこれからの日々に、考える間もなく突入します。 お話をいただいて、来週前半からは滋賀の工房へ版画の滞在制作に行くことに!! (ちなみに携帯の電波はほぼ届きません) きっとこの季節は黄金色の田んぼや山に抱かれたあの場所でどんなものができるんだろうか。 夏と旅がいってしまった、何ともおセンチな気持ちが加わって余計に混沌としてきた感情、 ふつふつと体に充満している何かと共に、とにかくは歩いてゆく。 そして月末から仕事に復帰、ベランダで絵を描くいつもの日常に復帰。 予備校スタッフの皆様、私の留守を本当にありがとうございます。 旅のことは滞在制作後、旅ブログの方に少しずつゆっくり書いていきます。 写真はラグーザ、イブラ。ありすぎるほどたくさんのことがあったラグーザ!! つい数日前までここにいました。 またいつか必ずここには来ると思う。 2009年 08月 03日
2009年 07月 29日
2009年 07月 24日
![]() 個展後はバタバタとイタリア行きの準備をしながら、今日は、日本に遊びにきたティミの家族と一緒に伏見稲荷へ。 ティミの家族はボローニャでお世話になってから会うのは3年ぶり。全然変わらない。 はじめて行った伏見稲荷。 こんなに妖しく、はりつめたところとは知らなかった。 有名な千本鳥居を通り抜けると、そのあと境内は奥の稲荷山へとずっと続いている。 低く重なる朱塗りの鳥居は冥府につづくトンネルのようで思わず声をころす。 行き交う人は誰もいない。 杉木立の中の階段をのぼり、沼の横を通り、 稲荷山のてっぺん一ノ峯までたどりついた時には膝が笑いはじめている。 時折吹き抜ける山の涼しい風と雨のように降る透明な蝉の声を杖代わりに ようやく下まで降りてきた時、揺らめいていた空気がふっと変わった。 ![]() ![]() ![]() 明日は藤井さんとこで髪をばっさり切る。そしていよいよイタリアに行ってきます! 2009年 07月 24日
![]() ![]() 鉛筆、淡彩でのドローイングを含む45点を展示しました。 大体ここ3か月で描いたものです。 支持体は麻布に陶土、硫酸紙、蝋引き紙、和紙、継ぎ接ぎの紙、木など。 ガソリン展に出品した『一粒の砂』も展示しました。 皆様、改めて本当にありがとうございました。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- もうひとつの物語 2009年 07月 22日
ただいま、京都。ただいま、我が家。 先ほどひさしぶりの帰宅。 熱いお風呂に入る。脳の芯がとけてゆく。 昨日、歩歩琳堂での個展が無事終わりました。 見に来て下さった皆様、応援して下さっていた方々、本当にありがとうございました。 歩歩琳堂おなじみメンバーの皆様、こんな私に連日お付き合いくださり、心から感謝しています。 今後も懲りずにひとつ、よろしくお願い致します。 そして大橋さん、本当におつかれさまでした。 山ほどのありがとうを。 帰り道、阪急電車を降りると空を見上げるたくさんの人々に 何事かと天を仰ぐと、飲み過ぎた目にはまばゆい光線と、生まれて初めてみた太陽のシッポ。 2009年 07月 16日
![]() 個展。絵が自分の手を離れる時。絵が絵になる時。 人と人の輪が重なりゆく時。 普段私はその時のために生きて、絵を描いている。 今年は一度の個展。 七夕のような時間。 希望、反省、確認、夢、自戒、そして言葉にならぬものたちと。 2009年 07月 15日
![]() 個展では連日飲み、久しぶりに京都の家に帰宅。まだ個展を客観的に見たり、 今後のことにゆっくり思いを巡らせる時間を とれていないが、じわじわと何かが広がっている ような気もする。 夜は夜で飲みやカラオケや卓球大会や、 楽しい企画がたくさんあって、個展中の それもまた一年で最も楽しいひとときです。 左の写真は半透明の硫酸紙の裏表から彩色、 ドローイングして下に和紙などをはさんで コラージュした作品。 光をあてると透けた感じや硫酸紙の波うつ様子が 写真よりずいぶん際立ちます。 目で触ってもらえると嬉しいです。 『よみ人しらず』(写真左) 『ネリ』(写真右) 2009年 07月 09日
いよいよ神戸で個展の展示。春頃の制作は着地点ということが気になったり、深く潜れなかったりでしんどかった。 言葉から離れたりでブログも遠くなっていた。 個展前1か月を切った頃からやっと少しほぐれて夢中で描ける時間が増えた。 作品同士のつながりやまとまりは考えずに、一点一点新たな気持ちで描きたいと思った。 昨年の『内側の他者』とは反対の試行だ。 だからこそ今回は特に並べてみて教えられることがたくさんあるだろう。 どうなるんだろう。 不安と期待のサンドイッチ。 でも、どうなろうとも個展はやはりとても楽しみだ。 ああ、特有の感触が胸にひたひたと押し寄せてくる。 個展、ギャラリー歩歩琳堂にて11日からです。 どうぞたくさんの方のご来場を心よりお待ちしております。 左の写真は『椋森の子』 2009年 07月 06日
本日京都アートフェアが終わりました。 お越し下さった皆様、ありがとうございました。 企画関係者の皆様、おつかれさまでした。 今回はアートフェア企画の方々と話す機会があり、いろいろ思うことあり。 より良くしてくためには作家がもっと自身のこととしても考えないと。 夕方、見に来てくれた版画工房のみんなとごはん。 イタリアから帰ってきた後にとても楽しみなお話をいただく。 ああ、こんな人たちと出会えたことは幸せだ。 この人たちと話していると夜は短い。今度また延長戦をやらないと。 そしていよいよ搬入まであともう少し! なかなか決まらない作品のタイトルがある。 絵に架ける橋よ、なんとか出でよ。 言葉に刺激されたくなって貘さんの詩集を手にとる。 貘さん、やっぱりいいんだなあ。 桃の花 山之口貘 いなかはどこだと おともだちからきかれて ミミコは返事にこまったと言うのだ こまることなどないじゃないか 沖縄じゃないかと言うと 沖縄はパパのいなかで 茨城がママのいなかで ミミコは東京でみんなまちまちと言うのだ それでなんと答えたのだときくと パパは沖縄で ママが茨城で ミミコは東京と答えたのだ言う 一ぷくつけて ぶらりと表へ出たら 桃の花が咲いていた 2009年 07月 01日
![]() ![]() ![]() 素材によって変わる絵との距離をもう一度確かめたいと思っている。 いつもの麻布、陶土に岩絵具。 麻布、陶土の上全面に薄紙を貼って岩絵具。 麻布、陶土を少し磨いて鉛筆。(写真中) 茶紙を継ぎはいでホワイトと鉛筆。 薄紙の裏と表から淡彩と鉛筆。(写真左) ワックスペーパーに鉛筆。 杉板にホワイトと鉛筆。 桜板にホワイトと鉛筆。(写真右) 同じことをやっているつもりでも素材によって引き出されるものは違う。 鉛筆の色の出方が全然違う。 描いている感触が全然違う。 今更ながら鉛筆が好きだと最近思う。 筆で描くよりびりびりと伝わってくるものがあって、 もっと直結しているような気がする。 鉛筆で描く時の支持体はかたい方が調子があがる。 抵抗感というか、押した時に押し返してくるような力を感じられる素材が心地よい。 そんな風に素材が何かを引き出してくれたり、素材にひっぱれたりするのはおもしろい。 春に咲き乱れる花をみて色を使いたくなることも。 絵具で描いたから本画という訳じゃないでしょう。 2009年 06月 26日
忠田愛展会期:7/11(土)~7/21(火) 12:00~19:00 (最終日17:00まで) 水曜日休廊、入場無料 在廊日:7/11、12(15時〜)、 18、19、20、21 会場:ギャラリー歩歩琳堂 神戸市中央区元町通1-10-11 元町エビスビル3F #650-0022 TEL:078−321−1154 ![]() 今年も神戸で展覧会をさせていただきます。 小品を中心に淡彩、鉛筆ドローイングなども合わせて30〜40点の展示になるかと思います。 神戸方面へお越しの折には是非ご高覧賜りたく存じます。 2009年 06月 25日
![]() 京都アートフェア2009 京の芸術家たち現在そして未来 会期:2008年7月2日(木)〜5日(日) 10:00〜17:00(最終日は16:00まで) 入場無料 会場:みやこめっせ1F 京都市左京区岡崎成寺町 主催:京都アートフェア実行委員会・ NPO法人芸術の街京都創生プロジェクト 趣旨:京都の美術界活性化と未来を担う作家育成を目的に、日本画・洋画・版画・陶芸・染織・漆芸・現代美術の 各分野から、京都で活躍する作家約250名の新作を一堂に展示。期間中は入札による販売を実施します。 もうすぐ開催されるアートフェアに、昨年に引き続き出品します。 私は10号の絵『なつやすみ』(上の写真は部分)を描きました。 私の旦那(稲富淳輔)も陶芸部門で出品します。 雨の多い季節ですが、皆様のご来場心よりお待ちしております。 2009年 06月 24日
旅をして具体的に何かを見たり何かを得ることを目的とするのでなく、 自分をほぐし、解体し、身をゆだねるような、そんな旅を、今年したいと思っていた。 実際の旅においても、絵においても生活においても。 自分を決めきらないこと、元旦の手帳にはそんなことを書き込んだ。 絵で少し色を使いはじめてから、今まで一度も選んだことのない色のTシャツを買った自分に驚いた。 まわりの景色が違った感触でざわめきはじめたことも、 町を歩いていて子供にばかり目が向くようになったことも。 そんななか、風景の広がりと裏腹に絵では四苦八苦していた。 でも、すぐに答えや結果がでるはずはなく、また答えを求めたい訳でもなく とにかく根気強く、静かに遠くを見ることを忘れてはいけない。 毎週、春子おばあちゃんから私は勇気をもらった。 友人のりえさんが以前教えてくれた本、星野博美の『謝謝!チャイニーズ』や『銭湯の女神』もすごくよかった。 星野博美の旅はまさに常温、人肌。 気負いや衒いがなく、美しさや活力だけでもなく、人が背負っているどうしようもないものや暗さ、 そしてわからないことを含め、それが日常の速度で綴られている。 『謝謝!チャイニーズ』ではいろんなことを考えさせられた。 藤原新也の『全東洋街道』が大好きだが、星野博美は全然違った意味で懐が深い。 さてイタリアへの出発もあと1か月後となった。 とにかくその前に個展なので、個展が終わったらしばらく開ける家の大掃除をして、 必要なものを買い出しに行き、トランクにつめて、最低限の調べものをして慌ただしく出発になりそうだ。 今回はどんな人に出会えるのだろうか。 フレスコ画や古い町、なだらかな丘、劇的な空もまたその国の大好きなひとつではあるけれど、 その土地に住み、暮らしている人々から滲み出るイタリアに触れられたら幸せだ。 |
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